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「給料の高い会社に入ればいい」で終わる人が見過ごす“致命的なポイント”



2019年05月16日 公開

鈴木謙介(関西学院大学先端社会研究所所長)

 

フローの資産に頼っても死ぬまではもたない

しかしながら、給与は、専門的に言うと「フロー」の資産です。基本的に流れゆくお金であり、つねに一定量が出ていくので、入ってくるぶんがなくなれば即座にピンチに陥ります。つまり、ずっと働き続けられることや、リタイア後の人生を心配しなくてもいい状況でしか頼ることのできない資産なのです。

リタイア後の人生が短く、給与で得た貯金で老後もなんとかなった時代には、給与のことを考えるだけでこと足りました。

しかし、現在は「人生100年時代」とも言われ、結果的にフローの資産が入ってこない期間が非常に長くなっています。

リタイア後の人生が30年、40年と続くことが想定されるときに、給与というフローのことしか考えていないのは、人生のリスクヘッジができていないという話になるのです。

2018年には「つみたてNISA」(※)も始まりました。

※特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度。長期分散投資に適した、公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)が対象。

このことを見越して、いま多くの金融機関や証券会社は関連する金融商品を次々と売り出しています。また、就職したばかりの教え子に聞いたところ、会社で契約している金融機関の積立商品を選ばされているようで、企業側も老後の資産形成を社員に積極的にうながしているようです。

ただ、急に「老後の資産をいまから作りましょう」と言われても、多くの日本企業では、給与ですべての生活を賄うことを前提に長時間労働を設計してきました。

そのため、資産のリスクヘッジは、たとえ長時間働かされたとしても、安定的な給与を得られる「頼りがいのある」会社を選ぶことでしかありませんでした。

結果的に、多くの日本人の資産形成のイメージは、投資や副業をしてお金を殖やすことではなく、「給料のいい会社に入ればいい」で止まってしまっているのです。

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