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社会

「給料の高い会社に入ればいい」で終わる人が見過ごす“致命的なポイント”

鈴木謙介(関西学院大学先端社会研究所所長)

2019年05月16日 公開

 

お金を殖やす「リスクテイク」の力が必要

しかし、給与に頼っていても、どう考えても死ぬまではお金がもたないとなれば、早い段階からなんらかの形で「ストック」の資産を形成する必要があります。このストックの資産を形成するために求められるのが金融教育です。

お金の話に限って言えば、「自己投資をして給与を増やそう」とする考え方自体が、フローの発想で止まっています。そうではなく、いま必要とされるお金に関する自己投資は、ストック形成のための知識とスキルです。要するに、金融教育と自分でお金を殖やすための「リスクテイク」の力なのです。

安心できる会社に所属することをリスクヘッジと考えていると、「リスクテイク」は、なにかものすごく危険な行動のように思われがちです。しかし、金融において本来「リスクが高い」というのは、「価格の変動幅が大きい」という意味なのです。

分かりやすく言うと、「損得勘定についての振れ幅が大きい」という意味であり、別に大損する可能性だけが高いわけではありません。

大穴を狙うのか、それとも堅実な勝負をするのか。つまり、この場合のリスクテイクとは「どのくらい大きな賭けに出るのか」を指しているのです。

僕が必要だと考えているのは、人びとが、自分にとって必要な振れ幅での資産形成を行えるような知識を身に付けることです。それは、けっして株に詳しくなってデイトレードをするようなことではありません。

たとえば、働きながらコツコツと、安定的な利回りの投資信託などで一定額を積み上げ、20年後には複利込みで学資や老後の資金が形成される。そんなスタイルが、これから求められるお金の自己投資だと考えられます。

でも、基礎的な金融知識が身に付いていないと、40代で子どもの教育資金や老後資金の必要性にはじめて気づき、手遅れになってしまいます。

僕は金融の専門家ではないためこれ以上のコメントは避けますが、もっと個人資産を投資にまわす人が増えていけば、競争原理が働くことで、いまよりもリスクヘッジしやすい手段が増える可能性が高くなるでしょう。

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