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生き方

定年後の同窓会で“老けて見える”人の共通点

成毛眞(HONZ代表)

2019年06月17日 公開 2022年11月30日 更新

 

飲みに行くなら母校の近くにある居酒屋

たとえば、最近よく使っているスマホのアプリは何か、買ったものは何か、着ている服はどこで買ったのかなど、ただただ教えてもらうのである。「君を真似してみたいから」と伝えた上で尋ねれば、よほど場違いで無い限り、決して嫌な顔はされないだろう。

こうした教えを請うのにふさわしいのは、やはり酒場だ。

最近の若者は酒を飲まないと言われるが、全員が全員、一滴も飲まないわけではない。学生街の安い居酒屋では、今日も若者が飲んでいる。

なので、学生街、できれば自分の母校の近くに行きつけの安い飲み屋を持つといい。ときどきそこへ出かけて行って、若者の話を何となしに聞く。

もしも話しかけられそうな雰囲気のグループが近くにいれば、ちょっと声をかけてみる。相手は一人だと警戒するが、グループならそうでもない。彼らにいろいろと教えてもらえたら、御礼に一杯ずつご馳走するといいだろう。新しい刺激代と考えれば安いものだ。

 

知識や蘊蓄でマウンティングしないこと

私も学生時代、早慶戦で早稲田が勝つと、新宿の思い出横丁にある早稲田OBが集まる店で「自分は商学部の学生です」などと言いながら、よくご馳走してもらったものだ。

学校が同じと言うだけで、先輩は後輩に優しいものなのだなと不思議に思ったものである。そこで私にご馳走してくれた人たちに、私の所属が早稲田ではなく中央の商学部であることは、積極的には開示しなかったのもいい思い出だ。

ともあれ、年配者が若者の上に立っていいのは、支払いの時だけである。知識や蘊蓄でマウンティングすると嫌われるが、財布でのそれは嫌われるどころか歓迎される。

いつか、「あの席に座っているオジサンは、ときどき一杯おごってくれる」と彼らの間で評判になったらしめたものだ。こうしたところで仕入れた話題を同窓会で披露すれば、一目置かれることだろう。

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