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「会議と資料作りが仕事」の人の悲しい末路

沢渡あまね(業務改善・オフィスコミュニケーション改善士)

2019年07月12日 公開 2022年07月12日 更新

 

その資料作成、その会議も「仕事ごっこ」かもしれない!

職場にはびこる「仕事ごっこ」

資料作成や会議も「仕事ごっこ」の典型です。

【資料作成】→ともすれば、体裁を整えることに意識が向き、そのための仕事や余計な気遣いを増やす。「万が一」のためのデータ収集や手元資料作成の仕事を生む

【会議】→会議そのものの拘束時間はもちろん、移動や準備のためのムダな時間を生む

ところが、組織の規模が大きくなればなるほど、これらの「ごっこ遊び」がそれぞれの立場で「仕事」として認識され、だれも疑問に思わなくなります。以下のように。

◆本部長
「会議でそれらしい発言をするのが、本部長の役割だ」
「キレイな資料を作るのが、部下の仕事であり礼儀だ(私も若いころはそうしてきた)」
「会議の延長はあたりまえ」

◆部課長
「会議に参加するのが部課長“らしさ”だ」
「本部長のご機嫌とりも仕事のうち」
「社内相手であってもキレイな資料を作る、組織人として当然だろう」
「会議の主導権は本部長にある。我々は進め方に口を出す必要はない」

◆担当者
「無駄な資料作成が多い。が、お給料が入ってくるから問題ない」
「この会議に自分が参加する意味がわからない。まあ、消化試合だと思えばいいや」
「会議が時間内に終わらない。議題もよくわからない。でも、それは本部長や部課長のせい。自分のせいではない」
「資料作成や会議のせいで、自分の仕事はいつも定時後。それはマネジメントの責任だ。残業代さえもらえれば、それでいい」

こうして、「仕事ごっこ」が妙に正当化、最適化されてしまうのです。

情報格差が新たな「仕事ごっこ」を生む

「資料が紙ベースで、共有されにくい」
「情報共有は会議が基本、参加者以外に共有されにくい」

この状況は、社内の情報格差を発生させやすくします。その結果、何が起こるか?

情報を共有するための仕事が生まれます。
情報をもらうための気遣いや社内接待がはびこります。

組織構造の摂理に従うならば、重要な情報は、上流により多く蓄積されます。すなわち、上位者ほど情報量が多い。ダムに溜まった水を放流するがごとく、情報流をコントロールする仕事が発生します。中には、情報量で部下や取引先をマウンティング(優位な立場を濫用する行為)する上位者も。

「俺がもっている情報が欲しければ、言うとおりにしろ」

こうして、歪んだ主従関係が生まれます。

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「電子が基本、紙はオプション」くらいにスパッと割り切る

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