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生き方

「怒り」をガマンすると逆効果! やっかいな感情を“捨てる”よい方法

関屋裕希(せきや・ゆき/臨床心理士)

2019年08月08日 公開 2022年06月06日 更新

 

落ち込みは何を教えてくれるのか?

落ち込みは、物事が思い通りにいかなかったことを教えてくれます。がんばったからこそ落ち込むのです。

また、現状を把握できていないと落ち込めないので、怒りや悲しみに比べると高度な感情とも言えます。言葉を使って思考する人間ならではの感情です。

ただ、落ち込みが長引くと、自分を責めたり、後悔を繰り返す「反芻(はんすう)思考」に陥ってしまったりするので、エネルギーが奪われないうちに整理しましょう。

 

落ち込みを整理するには?

「今起きていること」に対して感情移入せず、距離を取ってただ眺めるようにします。

そして、「楽しくなくても笑ってみる」「お笑い番組を見る」「凝った料理を作る」「明るい色の服を着る」など、ちょっとでも楽しくなることや、達成感を得られるようなことをすると効果的です。

人は、「落ち込み」と「楽しさ」を同時に感じることができません。落ち込む時間が少しでも減れば、やがて回復に向かいます。

 

不安は何を教えてくれるのか?

不安は、わからないことがあるときに生まれるシンプルな感情です。落ち込みは過去に向かう感情で、不安は未来に向かう感情といえます。

不安が生まれるおかげで、予測不可能な未来への対策ができるのです。ただ、未来のことや他人が何を考えているかなどについて、あまりにも不安がふくらんでしまうと苦しくなります。

そういうときは、過去でもなく未来でもなく、今この瞬間に目を向けるようにするといいでしょう。

 

不安を整理するには?

仕事、健康、人間関係など、まずは不安を感じている分野を特定します。不安の原因がわかれば心は落ち着くものです。

そして、不安を口に出してみると問題が明確になり、解決のための情報をくれる人が現れたり、実は相手がたいして気にしていないことがわかったりして、「わからない」ことが減るというよさがあります。

それでもわからないことが残るなら、思い切ってあきらめるのも一つの手です。

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