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生き方

“絶対に怒らない”ひふみんの正論すぎる「感情コントロール法」

加藤一二三(将棋棋士)

2019年10月23日 公開 2020年07月20日 更新

加藤一二三

相手の人格を否定するようなことは言わない

人間はみんな「自然感情」をもっています。

たとえば怒り。場合によっては嫉妬もあるでしょう。そういうごく自然に浮かんでくる感情を自然感情といいます。その自然感情をいかにコントロールするかということが大切だといわれています。

自然感情が湧くままに、赴くままに生きたとしたら、必ず失敗します。また、ほんとうの自分の幸せはこないともいいます。では、どうしたらいいか、その工夫が肝心になってきます。

たとえば、怒るようなことがあったとしても、「待てよ」と一度、相手の立場に立ってみること。「ひふみんアイ」です。

つまり結局、人間関係でひどいことを言われた場合、それを受けとめた人は「心の中にその言葉が張りついて殺される」ことになります。

わたくしはじつを言うと、日頃から注意しています。人間の言葉というものは、ときに冷酷な、ほんとうに無慈悲な言葉とかすごい言葉は、相手を殺すといわれていますから。

殺されるという比喩は的確で、人間の言葉によって死んだ数が、戦争で兵隊が死んだ数よりも多いといわれるのは、ここからきていると思います。
人が発する、冷酷な言葉によって人が傷つくし、当然ながらその場合、人間関係そのものが壊れてしまいます。

われわれが普通の日常生活で気をつけるべきことは、やはりいかなることがあっても、相手の人格否定はダメですね。

それと注意しておきたいのは、結婚相手の実家の悪口は言っちゃいけないというのもあります。

育ちなんてみんな違います。自分はいい家に生まれ育って、いい教育を受けて、いい暮らしをしてきたと思っている人がいたとします。そういう人が、自分とは違った環境で育った他人に対して否定的な考えを持っていると、それはうまくいきませんよね。

そういう思いが根底にあると、人が吐く言葉はものすごく、ひどい悲劇を起こしますから、それは制したいものです。

相手への悪口は、それが仮にほんとうだとしても、言ってはいけないことなんです。要するに、平和たりえない。平和が一番いいんですよ。

平和な人生を送るには何かというと、やはり思いやりというか、寛容な態度というか、ある意味、分別というものを身につけていきたいところです。

お互いの意見を出しすぎたり、自然感情を出し合ってしまったら、これはうまくいきません、というのがわたくしの言いたいことです。

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