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愛と幸せを運ぶ「鳳凰」って、どんな生き物?

龍羽ワタナベ(実業家/占い師)

2019年12月11日 公開 2024年12月16日 更新

虹色鳳凰

※本稿は、龍羽ワタナベ著『お金と幸せをつれてくる 虹色鳳凰の招き方・もてなし方』より、一部を抜粋したものです。
 

鳳凰の出現は幸せの前触れ

中国では古来、鳳凰は「聖天子が現れる時に姿を見せる瑞鳥」とされてきました。「聖天子」とは平安をもたらす統治者、すなわち優すぐれた皇帝などを意味します。

「皇」という字が、鳳凰の「凰」の中にもありますね。

秦の始皇帝が中国を統一して以来、約2200年の間に中国には多くの統治者(皇帝)が生まれました。時代や国を問わず、トップがどんな人物かによって、その支配下にある人々の境遇は大きく変わります。時には途方もない暴君が登場し、国民が悪政に苦しむこともあったでしょう。

「鳳凰が姿を現すのは、聖天子が現れる兆し」。人々は皇帝が変わる兆候を喜び、大きな希望を抱いたはずです。

このことが転じて、鳳凰が現れるのは「よいことが起きる前触れ」といわれるようになりました。しかもそれは、人生の転機につながるような「よいこと」です。

では、鳳凰とはいったいどんな存在なのでしょうか。

中国では、鳳凰は龍と同様、神様と人間の仲立ちをする存在と考えられてきました。紀元前4〜前3世紀の中国の書物には、すでに鳳凰についての記述が見られます。また、中国のみならず日本を含む東アジア全域で、鳳凰は古くから物語や説話、装飾などに登場しています。

その姿かたちは、鹿や蛇、魚、燕つばめなどさまざまな生き物の集合体として表されます。中国と日本では大きさなどに多少の違いが見られるものの、五色絢爛で、羽に孔雀に似た五色の紋があり、五音の鳴き声を発する、という特徴は共通しています。

甘い泉の水だけを飲み、小動物や虫など生きているものを食することはなく、60年に一度だけ実を結ぶという竹の実のみを食べる。止まるのは梧桐(ごとう アオギリ)の木だけで、草花を折るようなこともしないとされています。

中国では、歴代の皇帝は龍を自らのシンボルとしていました。一方でその妻である皇后たちは、龍と同様に吉祥の象徴である鳳凰の意匠を好んで使うようになり、やがて鳳凰は皇后の象徴となりました。

日本では、鳳凰は格式のある意匠として使われ、天皇陛下の乗り物であった「鳳輦(ほうれん)」や神様が移動するための乗り物である神輿(みこし)の屋根にも鳳凰が飾られています。

2019年10月22日に行われた「即位礼正殿の儀」でも、天皇陛下の玉座の高御座(たかみくら)や皇后さまの御帳台(みちょうだい)の屋根に金色の鳳凰が飾られていましたね。テレビで高御座をご覧になった方も多いでしょう。

このように、鳳凰は中国でも日本でも、高貴な存在、そして吉祥の象徴とされてきたのです。

日本で鳳凰といえば、もっとも有名なのは京都府宇治市にある平等院鳳凰堂でしょう。約1000年前の建立当時、人々はあの優雅な鳳凰堂を、地上に出現した極楽浄土ととらえたといわれます。

10円硬貨に描かれている平等院鳳凰堂をよく見ると、中央の建物の屋根の左右に、ちゃんと鳳凰が立っているのがわかります。さらに、福沢諭吉の肖像が描かれている現在の1万円札の裏側にも、鳳凰が描かれていることにお気づきでしょうか。

日本の硬貨と紙幣のどちらにも鳳凰が登場しているということは、鳳凰の素晴らし

い価値が誰もに認知されているということではないでしょうか。

日常的に手に触れているお金に鳳凰が描かれているのです。そのおかげで私たち日本人は、知らず知らずのうちに、愛と平安という鳳凰のお力をいただくことができているのかもしれません。

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「陰」と「陽」を持ち合わせた存在

著者紹介

龍羽ワタナベ(りゅうは・わたなべ)

実業家・占い師

台湾在住の実業家兼占い師。横浜市出身、青山学院大学卒業。中国・暨南大学への留学を経て、1997年に台湾で起業。台湾で初の「占いの館」や、クラブ、バーの店舗経営、フリーペーパーの出版のほか、現在では台湾進出企業のコンサルタントなども行なっている。
台湾でもっとも占いが盛んな台北において、「占いの館」の主幹として数十人の占い師を束ねるその実力は、“台湾No.1 女性占い師”として名高い。台湾元総統李登輝氏の手相鑑定をはじめ、自らの経験をいかした経営者視点のアドバイスは、台湾政財界の重鎮、日系企業の台湾支社長、プロスポーツ選手、芸能人までに広く支持されている。

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