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再生医療のプロが警告「肌荒れ・乾燥肌」を引き起こす“予想外の真犯人”

落合博子(国立病院機構東京医療センター形成外科医長)

2019年12月28日 公開 2019年12月28日 更新

 

化粧水はマストアイテムではない

「洗顔後には肌が乾燥しないように化粧水をたっぷりつけるのがよい」と、みなさん当たり前のように思っているかもしれません。

でも、化粧水を使うことのメリットはあまりないというのが、正直なところです。

化粧水はたっぷりとつけることが前提ですから、ほぼ水分からできています。そこにほんの少し保湿成分が配合され、油分はほぼ入っていません。

たくさん使えば多少しっとり感が得られるかもしれませんが、そのしっとりの正体は、肌に残ったじゃっかんの保湿成分。肌自体がうるおっているわけではありません。ですから時間が経てば、肌自体は元どおりに乾燥してしまうのです。

 

かえって角質層の機能を弱めてしまう 

わたしたちはよく、「肌にうるおいがある」と表現しますが、このうるおいがどこで保たれているのかといえば、肌表面の角質層。ですから角質層で水分が適度に保たれていれば、肌はうるおっているということになるわけです。

さて、角質層はもともと、水分や油分を適切に保つ機能を持っていますから、角質層の本来の機能を妨げずにいれば、肌はつねにうるおいを維持できます。

化粧水をおすすめしないのは、この角質本来の機能を乱して、肌を弱めてしまうリスクがあるからです。

化粧水で疑似的な水分が過剰に補われると、角質層の構造が崩れ、細さい胞ぼう間かん脂し質しつであるセラミドや保湿因子が保持できなくなります。

結果的に、キメも荒れて艶つやを失います。毛穴や小じわ、ニキビなど、さまざまな不調が起こりやすくなってしまうのです。

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