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「訪問数にこだわる営業」はなぜ通用しなくなったのか?

梅澤真由美 (公認会計士、管理会計ラボ株式会社代表取締役)

2020年02月28日 公開 2024年12月16日 更新

「訪問数にこだわる営業」はなぜ通用しなくなったのか?

未来がより不確実なうえあらゆる選択肢が増え続けている現代において、何かを選ぶ際の意思決定はますます難しくなっている。とくに、新事業立ち上げといった失敗できない大きな案件で即断即決するのは難しい。

そんなときに「度胸」や「思い切り」ではなく、明確な判断基準をつくるのが「ファインナンス思考」だ。ファイナンスや管理会計専門の公認会計士である梅澤真由美氏に、日常の些細な決定から大きな案件までに適用できる「ファイナンス思考」の「4つの行程」について聞いた。

※本稿は梅澤 真由美著『シンプルで合理的な意思決定をするために「ファインナンス」から考える!超入門』(かんき出版)より、一部を抜粋編集したものです。

 

意思決定するときの4つの行程

「オフィス機器を入れ替える」「新事業を立ち上げる」「人材を採用する」「保険に加入する」「マイホームを買う」「子どもを塾に行かせる」など、仕事においても人生においても、"お金"と絡めて意思決定をしなければならない場面はたくさんあります。

そんなときに指針となるのが「ファインナンス思考」です。

このファイナンスというのは、「将来にわたる影響のすべてをお金に換算して把握し、想定される案を比較して、最も望ましい案を選ぶ思考法」。外資系企業や海外ではすでに広く使われています。

会計で集計された過去からの推移を参考にして将来の予測数字をつくるファイナンスには、「会計」のような形式がありません。

いうならば「自転車の乗り方」のようなものです。細かいルールではなく、むしろ「考え方」ととらえてください。だからこそ、一度身につけてしまえばいつでも取り出して使えるので、ぜひみなさんにも身につけて活用していただきたいと思います。

ファイナンスで意思決定するときには、「コストをあぶり出し」→「時間のズレをとらえ」→「比較する」という3段階のステップを必ずとります。そして「分解する」が、意思決定した後、アクションを起こす際に必要な視点です。

まずは、「コスト」を正確に見積もる。ここがどんなケースの意思決定であってもベースになります。

それから時間のズレをとらえて、数字にします。

そして差を比較することで意思決定の精度を上げます。

4つめは分解することで、意思決定した内容を円滑に実行できるようにします。

この、この4つの要諦を意思決定でどのように使うのか、具体例をお伝えしたいと思います。

身近な例として、"営業スタイルの変化をファイナンスで考える"方法をご紹介しましょう。

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非効率な営業を効率化する4つのステップ

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