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コロナショックで迫る大暴落のXデー…“年金”が避けられない苦渋の「大規模売り」



2020年03月31日 公開

近藤駿介(金融・経済・資産運用評論家)、鬼塚忠(作家エージェンシー代表)

近藤駿介氏(投資評論家)

野村投信時代に約8000億円の資産運用を担当し、ファンドマネージャーとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つ近藤駿介さん。現在は評論家として活動し2020年2月には『202X 金融資産消滅』が刊行されました。

マクロな視点での経済分析に定評がある近藤さんに、本稿では、作家エージェントで自身も『花戦さ』などのヒット作品の著者でもある鬼塚忠さんが、コロナ騒動で関心が高まっている今後の景気動向についてお話を聞きました。

※本稿は2020年3月時点の情報に基づき、経済環境や投資に対する考え方を示したものであり、投資や個別の金融商品を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任で行うようお願いいたします。

 

2019年度の財政検証で今後の年金給付額が目減りすることが公表されていた

(鬼塚)はじめに年金給付額が減ると仰ってましたが、それは明確なのでしょうか?そしてそれは今回のコロナ騒動と、どう関連してくるのでしょうか? 

(近藤)その答えは厚生労働省が行う「財政検証」にあります。財政検証とは5年に1度実施される年金の健康診断のようなもので、100年先までの人口構成や経済情勢を仮定し、年金の給付水準や財政の健全性を確認するものなんですね。

2019年8月の財政検証結果が公表された際には、標準的なケースで現役世代の手取り平均収入に対する年金給付水準の割合を示す「所得代替率」が、2019年度の61.7%から28年後の2047年度には現在より2割近く低い50.8%にまで大きく目減りすることが大きな注目を集めました。

(鬼塚)2割も年金受給額が減るというのはシビアですね。ただ2047年度というと、ずいぶん先です。それに財政検証もあくまでその時点での観測ですよね?

(近藤)そのように現実から目をそらしたくなるところですが、この先、日本は少子高齢化が進みます。すると確実に税収が減りますよね。昨年の財政検証も、それを見越して給付水準が低下していくとの見通しを示しました。ただ、実はそれ以上に重要なことが発表されているんです。

(鬼塚)将来、わたしたちがいくら年金をもらえるか?それより重要なことですか?

 

年金支給額確保のためにGPIFが市場の売手に転じる

(近藤)それが買手として日本経済を支えていたGPIFが、市場の売手に転じることです。資産づくりに励むひと、たとえば「老後2000万円」問題をきっかけに、若いうちから老後に備えて資産づくりをしようとして投資をはじめたひとにとっても、GPIFが売手に回ることは、「所得代替率」以上に重要なことです。

(鬼塚)約160兆円の資産を持つGPIFが売手になれば経済や金融市場は大混乱に陥り株が低迷することが想像できますね。ただし、それは一時的なことと考えてしまいますが。

(近藤)残念ながら少子高齢化が進み税収も足らなくなることを考慮すると、株価低迷時代は1年2年の短期間ではなく、長期に渡る可能性が高いでしょう。

(鬼塚)これから長期株価低迷時代がやってくるのでしょうか。では、GPIFはいつ売手に転じるのでしょう?

(近藤)2019年の財政検証が出るまでは、年金給付の財源を確保するためにGPIFが約160兆円の保有資産の売却をはじめるのは10年程度先のことだと思われてきました。

ところが2019年度の財政検証の結果によって、早ければ2020年度から売手に転じる可能性も示されました。それに追い打ちをかけたのが今回のコロナ騒動です。コロナ騒動で景気の悪化が進み、税収の見通しが立たなくなることで、ますます売手に転じるXデーが早まる可能性が高くなっています。

仮に消費税が8%から10%への増税がなく、景気が落ち着いていれば、売手に転じるのは5年後、10年後だったかもしれませんが。

(鬼塚)だんだんコロナ騒動と年金との関連が見えてきましたが、まだ信じられないところがあります。というのもリーマンショックのあとも経済は回復してきました。今回も同じように経済には回復する力が残っているのではないかと思ってしまいますが。

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