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生き方

「他人に謝れない親」が、子どもの性格に与えてしまう影響

石川千鶴(ハートフルライフカウンセラー学院学院長)&鬼塚忠(作家エージェンシー代表)

2020年04月23日 公開 2022年07月04日 更新

 

性格は後天的な要素で形成される

(鬼塚)性格って生まれつきのものなのではないですか?

(石川)性格は生まれついたものがすべてではありません。その大半が生まれ育った環境によって形成されたものなのです。人は誰でも考えを巡らせる際にある一定の思考の型に当てはめます。

すでにある考え方の道筋が出来上がってその上に乗るだけです。人は考えているようで、実は、いつも同じような思考回路をたどり、そこから行動を起こしたり、感情が生まれたりします。

(鬼塚)人が行動を起こしたり、感情を持ったりする基礎となる性格の大半は、生まれ育った環境により形成されるということですね。では、人の性格、つまり考え方の癖はどのように作られるのでしょうか?

(石川)脳科学的に見ると、思考の根っことなる部分は7歳までに完成されると言われています。人は生まれてきたばかりの頃、身体はまだ完成していません。脳も臓器も非常に不安定な状態です。

赤ちゃんが激しく揺さぶられると脳内が傷つき、障害が残る「乳幼児揺さぶられ症候群」という症状がありますが、これも脳が不安定であることに起因するものです。

そして、3歳までに受けたネガティブな刺激は消えることなく、一生残ります。成長の段階で脳も発達し、3〜7歳くらいまでの間に大人と同じような脳が完成されていきます。

その間にネガティブな刺激を緩和する機能が作られます。この機能が3歳以降の早い段階で作られる人はネガティブな刺激もネガティブなものとして残りません。

しかし、この機能がゆっくり作られる人の場合は、この間に経験したネガティブな刺激はネガティブなものとして刻まれます。幼少期の刺激は大人に比べて強烈に頭に刻み込まれます。そして、この間に得た経験から生きるためのルールが形成されていきます。

例えば「まったくダメねえ。これちゃんとやりなさい」と親に注意されるとします。小学校を過ぎて、ある程度、親の言葉の真意が分かるようになれば、「ああ、親は私に期待をかけているんだな」と気持ちを推し量ることができます。

ですが、小学校に上がる前の子どもはそのように人の言葉の真意を探ることはできません。ですから、「ダメねえ」「やりなさい!」と言われれば、そのまま受け取ります。

その結果「親にダメと言われた。だから自分はダメなのだ」とか「やりなさいと言われたのは私ができないからだ」と思うようになるのです。このような経験が重なるうちに、「いつも親が私に怒っているのは、私がダメだからだ」という考えが定着してしまいます。

このように、小さい頃から、きつく叱られたりすると、自分を否定的に考えがちになります。このような人は先にあげた自分否定タイプになります。

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子どもは親の反応を見て、考え方をコピーしていく

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