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「”ヤバイ”使用禁止」で耐えられますか? 文章力の高い人は語彙をこう増やす



2020年05月15日 公開

はやみねかおる(児童書作家)

語彙力をどうつけるか?(はやみねかおる)

作文、メール、レポートから小説まで、いい文章を書くには、何を心がければいいのか。中学生から大人まで役立つ技術を、著書累計510万部の人気児童書作家はやみねかおるが小説形式で教える。

※本稿は『めんどくさがりなきみのための文章教室』(飛鳥新社)の内容を抜粋・編集したものです

 

語彙が少ないのは、水彩画に白と黒しか使えないようなもの

美術の宿題をしていると、筆を持ってる腕がズッシリと重くなった。
見ると、ダナイが、ぼくの腕にしがみついている。

「邪魔するなよ、ダナイ」
「健こそ、わたしに食事を与えるのも忘れて、何をしてるんだ?」

「窓から見える風景を描けっていう、美術の宿題だ。もうすぐ完成するから、それまで餌は待ってろ」
「なんなら、手伝ってやろうか? ほら、『猫の手も借りたい』というじゃないか」

ダナイが、パレットに前足をつける。肉球に絵の具をつけて、 いったい何をする気だ?

「わたしが、色を塗ってやろう」
「ちょっと待て。猫に色塗りは無理だろ!」

 絵に肉球を押しつけようとするダナイを、羽交い締めにする。
ミャオギャオ暴れるダナイ。飛び散る絵の具や筆。
 なんとか絵を守ることはできたが、部屋中に絵の具が飛び散り、とてもカラフルな部屋になった。

「どうすんだよ、絵の具がなくなっちゃったじゃないか! 白と黒しか残ってない! これじゃあ、色塗りは無理だよ」
「......なるほど。健の文章の弱点がわかったよ」

 

日頃から使う言葉が文書力にも直結する

「今は、絵を描いてるんだぞ。なんで、ぼくの文章の話になるんだ?」
「絵を描いてる場合じゃない。健は、わたしのトレーニングのおかげで、文の書き方が身についてきた。しかし、何かが弱いと思っていた。今、その原因がわかったんだ」

「いや......絵を描かないと怒られるんだけど......」
「健の弱点は、ボキャブラリーの不足だ!」

「ボキャブラリーって、何?」
「ボキャブラリー(語彙)とは、その人が使っている単語のことである。伝えたいことがあっても、ボキャブラリーが少ないと、表現できないときがある。健に、行列のできるタイ焼き屋さんで買ってきた白タイ焼きをあげよう。味はどうだい?」
「うん、ヤバイね」

「そういや、昨日テレビで、『サンバイズ』のライブやってただろ」
「ああ、ヤバかった」

「あれ? 絵の宿題はやらなくていいの?」
「あっ、ヤバイ!」
「今、健の使った『ヤバイ』は、みんな同じ意味なのかい?

『ヤバイ』に、たくさんの意味を乗せて、若者は使っている。

本当なら『おいしい』とか『格好いい』とか『具合が悪い』という意味も『ヤバイ』の一言ですませている。『かわいい』も『かわいくない』も、すべて『ヤバイ』の一言ですませるのは、本当に『ヤバイ』。

でも、『ヤバイ』だけで会話が成立するのって、すごいと思わないか?
それは、相手を見て会話してるから、どういう意味で『ヤバイ』と言ってるかわかるからだよ。SNS やメールでは、相手の様子がわからない。そんなときに『ヤバイ』としか表現できないのは「ヤバイ」んじゃないのかな?」

「どうやったら、ボキャブラリーは増やせるんだ?」

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