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肥満の敵「脂肪」の真実…“積極的に食べるべき脂”と“避けるべき脂”がある



2020年05月30日 公開

マーク・ハイマン(監訳:金森重樹)

コロナ太りをどう解消するか?

アメリカの医師であるマーク・ハイマン氏は著書『アメリカの名医が教える内臓脂肪が落ちる究極の食事』の中で、脂質を食べれば食べるほど体脂肪が落ち、身体機能が改善するとの新説を提唱している。

※本稿はマーク・ハイマン著、金森重樹監訳『アメリカの名医が教える内臓脂肪が落ちる究極の食事』(SBクリエイティブ刊)から一部抜粋・編集したものです。

 

内臓脂肪を劇的に減らす最高の脂質

今や健康オイルの代名詞のようになっているオリーブオイルに始まり、アマニ油、グレープシードオイル、ココナツオイルなど脂質の中でも健康に良いとされる脂・油・オイルにはこれまでもトレンドがあった。

脂質にはさまざまな種類があって、要因次第で体に良いものや悪いものがあり、最悪なものもある。 

食べ物には多種多様な脂質が含まれていることが多い。たとえばバターには、飽和脂肪酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、一価不飽和脂肪酸が含まれている。

ナッツのような高脂質の食品にはタンパク質および/または炭水化物も含まれ、それらは種々の脂質が体に与える影響に作用する。たとえば、飽和脂肪酸は炭水化物と一緒に摂ると体に悪いが、それ単独で摂取すればそれほど悪くはない。こう聞くと脂質の話は紛らわしいという意味がわかるはずだ。

誰もが話の一部だけに注目するので、聡明な科学者たちが、脂質に関してはまったく反対の意見を持つことがあるのだ。オメガ6植物油が健康に良いという人もいれば、死を招く食品だと言う人もいる。

飽和脂肪酸のメリットを喧伝する人もいれば、危険だと断言する人もいる。だがこれらの矛盾した見解をじっくり検討して、肥満解消にも健康増進にも本当に効果的な食事とはどのようなものなのか、結論を出す方法がある。

 

質のよい食事が遺伝子に適切な指令を出す

ヒト生物学について考えるための新たなフレームワークがあり、それによって、すべてがお互いにどう関係しているかという全体的な話がわかる。

私たちの栄養研究は、関連性は示唆するものの何も立証しない集団研究が大部分を占めていた。だが、すべてを包括する理論があれば、データに意味を見いだすことができる。では、その理論とは何だろうか?

システム生物学では、環境・食事・遺伝的要因の動的な関係と相互作用がリアルタイムでマッピングされる。このアプローチを実際に応用した医療が機能性医学であり、その中核をなすのは、病気を促進するアンバランス―食事と環境と遺伝子の相互作用から生じるアンバランス―の根本的な原因への取り組みである。

これは個別化医療であり、1人ひとりが遺伝的・生物化学的に唯一無二の存在だが、非常に適応力が高く、さまざまな環境で多種多様な食生活をしながら、種として繁栄してきたことを理解する医学だ。

理想的な食事は文化によって大きな違いがあり、いろいろな好みに応じたものになるが、進化的・歴史的な観点から見て妥当な考え方に左右される。

科学によって、食べ物の健康への多元的な役割が見いだされている。食べ物は単なるカロリーではなく、健康と疾患リスクのすべての面を速やかに制御するように指示する情報である。

私たちはそれぞれの環境の中で食べ物と共に進化してきた。そして食べ物によって、遺伝子発現、炎症、酸化ストレス(活性酸素によるダメージ―体内でさびが発生するようなもの)、ホルモン機能、免疫機能、腸内細菌叢バランス、解毒、代謝など、ありとあらゆる体内作用を調節している。
歴史をたどって食事について考えれば、どんな食べ物を食べれば体に良いかがわかるだろう。

私たちの食事の「質」が最も重要である。本物の自然食品、新鮮で純粋な未加工食品―こうした食品を食べることから始めよう。

体重増加や肥満に影響する要因は食べ物以外にもある。遺伝的な要因、活動レベル、ストレスレベル、腸内細菌叢、環境有害物質、オビーソゲン(肥満の原因となる有害物質)などである。それらは病気にかかるリスクも左右し、さまざまな食べ物に対する反応まで変えてしまう。ただし、体重と健康の最大の決定因子が食べ物であることは依然として真実だ。

その上、調査によれば、世界中の伝統的文化において脂質はなくてはならない特別なものとして珍重されている。伝統文化では常に、脂肪たっぷりの動物の臓器が好まれた。北アメリカ大陸中部の平原地帯に住むネイティブアメリカンはバッファローを殺すと、最初に脂肪がたっぷり含まれた肝臓などの臓器を食べていた。

現代人の食事は、人類が狩猟採集を行っていた1万2,000〜1万4,000年前の食事と比べると雲泥の差だ。

まずは農業革命と畜産の登場によって、伝統的な食べ物は穀物と乳製品に置き換えられたものの、すべての食べ物はまだ有機栽培や牧草飼育の自然食品だった。ところが産業革命のために、この100年間の私たちの食事はそれ以前の1万年間に比べて大きく変化した。

産業革命がもたらしたのは、交配の増加と遺伝子組み換えによる農作物の遺伝子操作、動物を集約的に閉じ込めて飼育する集約畜産、穀物・植物油・シードオイルの精製、トランス脂肪酸と異性化糖の開発、野生の食べ物から摂っていたオメガ3脂肪酸の劇的な減少、精製されたオメガ6脂肪酸の増加、化学物質(殺虫剤、除草剤、肥料、抗生物質、ホルモン)の使用、そして土中の栄養の枯渇である。

産業革命以降、私たちの食事の質は驚くほど低下しているのだ。

食べ物を単なるエネルギー・カロリー源と考えれば、何の問題もないだろうが、科学によってこの単純な考え方は否定され、すべての生体内作用における食べ物の役割への理解が深まっている。

遺伝子の活性化・不活性化による調節から、ホルモンの調節、免疫伝達物質と神経伝達物質の生成、腸内細菌叢のバランス、さらには細胞と組織と臓器の構造と構成まで、さまざまな生体内作用に食べ物が影響を与えるのだ。

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