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美容室、ネイルサロン、マッサージ…「接触不可避」の業界が生き残るための打開策とは?



2020年06月27日 公開

竹内謙礼(有限会社いろは代表取締役)

ソーシャルディスタンスをキープしようと呼びかけられる一方で接触不可避のサービスも少なくない

全国的に緊急事態が解除されてから1ヶ月以上が経過した。ふたたび経済を回していく機運も高まってきた中で、顧客が戻ってくる業界とそうでない業界で明暗が分かれはじめている。

長時間の接触や、人が集まることが前提のビジネス等は苦戦を強いられるため、より一層の対応策が求められると指摘するのは、ネットビジネスのプロとして楽天市場で2年連続ショップ・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど数々の受賞歴を持つ、有限会社いろは代表取締役の竹内謙礼氏。

本稿では竹内氏の新著『巣ごもり消費マーケティング~「家から出ない人」に買ってもらう100の販促ワザ 』より、コロナ禍に対して難しい対応を迫られる業種の苦悩と、その打開策について書かれた一節を紹介する。

※本稿は竹内謙礼著『巣ごもり消費マーケティング~「家から出ない人」に買ってもらう100の販促ワザ 』(技術評論社)より一部抜粋・編集したものです。

 

コロナ禍で難しい対応を迫られる業種の共通点

感染対策が打ち出しにくく、巣ごもり消費の対応が難しいビジネスの共通点は、次の3つである。

〇お客様と長時間の接触が必要
→美容室、理容室、ネイルサロン、マッサージ、飲食店、バー・サロン、学習塾、営業

〇人が集まることが前提
→宿泊業、レジャー施設、ブライダル、葬儀、ライブハウス、セミナー・講演会

〇外出する必要がないために需要が減った
→衣料品、靴、化粧品、旅行用品、ブランド品、クリーニング、鉄道、空港、百貨店など

さらに景気後退によって、商品の購入を手控えている人が多いことも、厳しい経営に追い打ちをかけている。感染するかしないかに関係なく、不要不急の出費を抑えるために、感染リスクの高いサービスから先に切られてしまっているのが現状である。

この3つの条件に関連する商品やサービスは、打開策を見つけ出すことが難しい。しかし、その厳しい中でも、前向きになれる施策を検証したので、これらをヒントにして新たな販促手法を模索してもらいたい。

 

感染対策の「付加価値」を上げる

「お客様と長時間の接触が必要なビジネス」とは、美容院、理容室、ネイルサロン、マッサージなどのビジネスである。スタッフとの距離が近く、空気の循環が鈍い空間は、感染を回避したい消費者にはやはり敬遠されてしまう。

また、人の身体に直接触らなくてはいけないビジネスなので、ほかのサービスへの代替えが効かないところも、売上減の直撃を受けている要因といえる。

しかし、人と人の接点が大きいビジネスは、心理的に強い快感を残し、その快感はかんたんに忘れられない仕組みになっている。

肩こりをマッサージで解消させた快感、ネイルをしてもらった高揚感、ヘアカットをしてもらった時の喜びなど、日常的に商品を買ったり、サービスを提供されたりする感動とは違い、麻薬的な魅力があるのが、人と人との接点が大きいサービスの特徴といえる。

このような特異的なサービスは、感染リスクが多少あったとしても、我慢できずにお客様が足を向けてしまうところがある。理性よりも快感のほうが記憶に残っているため、ある一定数のお客様は、たとえ自粛要請が出ていたとしても、サービスを受けたい欲求から逃れることができない。

感染予防の施策をとることが難しい業種ではあるが、できる限りの対策をとっていることをホームページやSNSでしっかり訴え続ければ、お客様の戻りは思いのほか早いと思われる。

たとえば、予約による人数制限、会話の削減、換気など、徹底して対策を講じておけば、お客様の来店動機も背中押しされて、少しずつ客数は回復していくだろう。スタッフとお客様との関係性が濃厚なビジネスなので、必死でがんばっている姿をメッセージや写真にしてSNSに投稿すれば、来店を躊躇しているお客様の心を動かせるはずだ。

極論を言えば、感染対策の内容よりも、健気にお客様の来店をスタッフが待っている姿を見てもらうことのほうが大切である。店頭の看板に「感染対策を徹底しています」と書いていても、お客様の心を動かすことはできない。

自分がいつもお世話になっているスタッフが、必死にがんばっている姿を見てもらうことで、そのお店の感染対策の付加価値を高めることができるのである。お客様の「応援したい」という心を動かす情報発信をまめにおこなうことが、売上回復の原動力になる。

ただし、人と人との接触頻度が高いビジネスであることには変わりないので、本格的な集客を展開できるのは、感染が収束に向かい始めた時期になることは認識してほしい。経営者だけではなく、スタッフも感染のリスクにさらされる可能性もあるので、集客の施策が始められる時期は慎重に検討したほうがいいだろう。

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