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美容室、ネイルサロン、マッサージ…「接触不可避」の業界が生き残るための打開策とは?

竹内謙礼(有限会社いろは代表取締役)

2020年06月27日 公開 2023年11月02日 更新

 

生活習慣にあわせた商品やサービスに切り替える

「外出する必要がないために需要が減った商品」というのは、次のようなものである。

・衣料品
・靴
・化粧品
・旅行用品
・ブランド品

外出の必要がなくなり、感染を避けるために人と会うことを敬遠するようになったことで、これらの商品は「不要不急」の急先鋒の商品カテゴリーになってしまった。今回、さまざまな商品の解決策を検証したが、その中でも難易度が高かったのが、この商品群となる。

外出の自粛要請が出ている期間中は、ネットショップで販売するしか方法はない。ネットショップがなければ、ヤフオク、メルカリなどで売るなどして、販売経路を一時的にオンラインにシフトするのが急務となる。

もし、顧客情報を管理しているのであれば、ダイレクトメールやハガキでオンライン販売を始めた旨をお客様に伝えたほうがいい。景気後退で財布の紐が固い状況なので、セール販売に依存する売り方になってしまうが、お客様に「新しい服を着るとモチベーションが上がる」ということを忘れさせないためにも、服の販売機会は与え続けたほうがいい。

ハガキやダイレクトメールにスタッフのコメントを手書きで入れると、お客様の受け止め方が大きく変わる。特にアパレル系は、デザイン重視のダイレクトメールを出す傾向が強いが、コロナ禍ではスタッフの写真を載せて、「がんばっています」というメッセージが伝わる泥臭い販促物を送付したほうが、反応がいいはずである。

ただし、景気が後退しているうえに、外出して人と会う機会が少ないため、価格を下げても売れない可能性もある。ネットで販売する必要経費が利益を超えてしまうこともあるので、在庫処分でネット通販を活用する場合は、慎重に検討したほうがいいだろう。

アパレル品や化粧品、ブランド品は、感染が収束した際に反動で売れる商品群ではある。その波にうまく乗ることができれば、売上を急回復させることは十分に可能だ。

すぐに消費に向けて動き出すお客様は、取り扱うブランドを支持する常連客であり、その人たちに対して、いかに早いタイミングで告知できるかが、売上回復のカギを握る。先に動いた店舗にお客様が集中する可能性もあるので、「少し早いんじゃないか」ぐらいのアクションが企業側に求められる。

また、長い巣ごもり期間でトレンドや好みが大きく変わっている可能性もあるので、市場の動きや消費者の動向の情報は、まめにつかんでおいたほうがいいだろう。

今後、テレワークが進むようなことになれば、部屋着と外着のボーダレス化が進み、よりゆったりした、ストレスのないファッションがトレンドの主流になると思われる。都心部で自転車通勤の人が増えればストレッチ素材のスーツに注目が集まるかもしれないし、よりウエアのカジュアル化が加速していくことも考えられる。

その変化の波をつかんだ企業が、コロナ禍における勝ち組になる。今後はアパレル業界以外のトレンドも追いかけることが必要になってくると思われる。

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