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美容室、ネイルサロン、マッサージ…「接触不可避」の業界が生き残るための打開策とは?

竹内謙礼(有限会社いろは代表取締役)

2020年06月27日 公開 2024年12月16日 更新

 

3密を守りにくいビジネスの動向

場所の広さを生かした感染対策サービスを打ち出す「人が集まるビジネス」とは、次のようなものである。

・ホテルや旅館などの宿泊業
・遊園地や観光地などのレジャー施設
・ブライダル
・葬儀場

人が集まることによって感染のリスクが高まり、3密が守られなくなることから、集客に苦戦している。

●宿泊業
宿泊業に関しては、長期滞在プランを提案するのも一手である。自宅で仕事ができない人や、受験勉強に集中したい人、工事などによる作業員の宿泊などに向けて、割安の長期滞在プランを提案してみるといいだろう。

また、人の移動が容認される状況になれば、都心部から移動したい人は増えるはずである。転居するほどではないにしても、感染の拡大が懸念される冬場は、地方で過ごしたい人が増えるかもしれない。テレワークが普及しつつあることもあり、地方のホテルや旅館に長期滞在する需要は高まると思われる。

人との接触を完全に遮断できる山奥のバンガローやロッジ、貸別荘などは、自ら隔離生活を実践したい人にとって需要のある宿泊施設になる。外部の人とは一切接触せず、長期間の食料や水をセットにした宿泊パックが今後は出てくるかもしれない。

●レジャー施設
観光地や遊園地、ゴルフ場などの屋外のレジャー施設を、展示会や販売促進会の会場として活用してみるのもいいだろう。もちろん、「感染者が減少して人が動き始める時期」という条件付きとなるが、屋外の施設は開放感のあるイメージが強く、感染リスクが少ないことが消費者にすぐに伝わりやすい場所といえる。

集客に悩んでいるお店側と施設側の思惑も一致するため、これを機にコラボレーション企画を展開してみると、思わぬ相乗効果が生まれるかもしれない。

●ブライダル
ブライダルに関しては、少人数制の結婚式に切り替えたり、写真や映像のみのサービスを提案したりして、感染リスクを抑える施策を考える必要がある。

屋外のブライダルの需要は伸びることが予想されるため、ゴルフ場やキャンプ場と提携して、新しい結婚式のスタイルを提案してみるのも一手である。

●葬儀場
葬儀に関しても、ライブ配信をおこなったり、供養をバーチャルにしたり、新しい葬儀の形が次々に出てくることが予想される。コロナ禍になる以前から葬儀の多様化が進んでいたこともあり、樹木葬や散骨などの新しい葬儀サービスにも注目が集まる可能性は高い

3密を避けるために、社葬、お別れ会、法事のキャンセルも相次いでいる。今後は、感染予防を徹底した葬儀方法や、オンラインによるお別れ会や社葬、お墓参りの代行サービスなどの新規ビジネスが増えていくかもしれない。

ブライダルや葬儀の事業者は、会場の広さを生かして、法人企業に会議室として貸し出してみるのはどうだろうか。たとえば、20名で使う会議室を6名に貸し出せば、それぞれが2メートル以上の距離を置いて話し合いをすることが十分可能になる。換気さえしっかりおこなっていれば、感染リスクは最小限に抑えることができる。

どんなにテレワークが進んでも、対面で話し合わなければ解決しない案件は多く、「顔を合わせてミーティングをしたい」という需要は思いのほか多いと思われる。

狭い会議室に入ると感染の恐怖感があり、話に集中できない人もいるかもしれないが、広い会場を贅沢に使うことができれば、質の高いミーティングができるようになる。大きな会場で、少人数で会議ができる旨をホームページやSNSで発信すれば、オンライン会議では話し合いが進まない企業が利用してくれるかもしれない。

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