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円満退社ができる人、悪感情のまま辞める人…転職後の人生に差を生む「習慣」

古宮昇(心理学博士)

2020年07月03日 公開 2022年02月15日 更新

 

今の会社が新しい自分に不要になれば、辞めるのが自然

転職する人のなかには、前の会社に対して不平不満の気持ちで辞める人も多いかもしれません。でも、それは本人にとって不幸なこと。

仕事でも会社でも、私たちがつぎの段階に進むために不要になれば、卒業するのは自然なことです。小学校が終われば中学校に進むようなもの。

ところが、「つぎの段階に進むから」というのは正当な理由ではない、と無意識的に信じていると、その仕事や会社を辞める特別な理由が必要だと思ってしまうことがあります。

すると、その理由を作る目的で、自分でも気づかないうちに、仕事や会社や会社の人間関係を嫌ってしまうことがあります。なかには、会社の誰かに腹の立つことをさせて、

「会社がひどいから!」「上司ががまんできないから」等という、自分で正当だと思う理由を作って、やっと会社を辞められる人がいます。または、同じ理由から、自分でも気がつかないうちに会社にとって迷惑な行動をし、会社から辞めさせられる、という経験を選ぶこともあります。

しかし、会社を辞めたり職業を変えたりするために、それまでの会社や仕事を嫌ったり、それらに怒ったりする必要はありません。ただつぎの段階に進みたいから、ということで十分なのです。

小学校を卒業する子どもは、小学校を憎むから卒業するわけではありませんし、小学校は価値のないダメな場所だから行かなくなるわけでもありませんよね。

ですから会社を辞めて他の会社に移るとき、または定年で引退するとき、職業を辞めるとき、学校や学びのサークルを終えるときなどには、それまでいた会社や仕事、学校、サークルのおかげであなたが得た恵みを箇条書きでたくさん書き出しましょう。

その活動の目標は、感謝の気持ちでいっぱいになるまでたくさん書き出すことです。

 

思いつかなくなるまで書き出してからが勝負

そのときに覚えていてほしいことがあります。それは、恵みを箇条書きに書き出してゆき、「もうこれ以上は思いつかないなあ」と思ってペンが止まってからが勝負だということ。さらに恵みを探しましょう。

かならず見つかります。「もう思いつかない」と思ってからもっと恵みを見つけて書き出すとき、会社や仕事、学校への感情が感謝へと変化します。

でも、がんばって恵みを書き出したけど感謝でいっぱいにはなれないこともあるかもしれません。それでも、不満や怒りの気持ちが減って感謝が増えたら、そのワークをした効果があります。

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