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「基本が大事!」と口にする指導者が返答に詰まった“ある質問”

2020年09月19日 公開

緒方良(日本バレーボール協会 指導普及委員会 副委員長/三晃金属工業 取締役)&真田幸光(愛知淑徳大学教授)

 

反復練習には「始まり」と「終わり」がある

基本の習得には反復練習が欠かせません。そして反復するということは、ある動作を同じことができるようになるということです。仕事であっても、何か物を作るにしても、プレーをするにしても同じです。

では、反復練習とは何かというと「始まり」があって、「終わり」があります。この「始まり」と「終わり」を理解できていないと反復はできません。

ここが「始まり」で、ここが「終わり」ということを選手に自覚させ、指導者も自覚して、それを何回も繰り返す。そうして、いつの間にか身につくもの――それを我々は「身体知」と呼びます。いつの間にか覚えた動作です。

たとえば、自転車の乗り方というのも身体知です。自転車の練習も自分自身で乗ってみて、身につけますよね。それによって、その動作が自然にできるようなります。

「始まり」と「終わり」があって反復練習を何回もやる。何も言わなくても、それが自然に出てくる。そうして基本ができた上に、様々な応用力が発揮されて、色々な技能が生まれてくるものだと思っています。

この「基本動作」の習得が脆弱なときに、その後にある技能ばかりを求めても、当然、基礎がないのでグラグラ、グラグラしてしまって、本当の技能習得には効果を得られません。

私が現役のときも、反復練習を徹底してやっていました。特に優勝したシーズンほど、これを一番重点的にやっていた気がします。

当時、指導していただいたのはミュンヘン五輪で金メダルを獲得したときにキャプテンをされていた中村祐造氏でした。中村氏は、反復練習の重要性をよくおっしゃっていたことを覚えています。

最近の練習法を見ていると、反復練習の徹底が弱くなってきている気がします。

試合と同様な状況を作って練習する「ゲームライクプラクティス」という練習方法も同様に効果があるので、大いに活用すべきだと思っていますが、その試合中の動作には、必ず反復練習で獲得した無意識に出る基本動作があります。

これはどのような仕事でも同じです。日本の産業技術も、その部分がきちんとできていたから今があるはずです。

反復練習する期間もなく、応用編ばかりやっていては世界で勝ち抜いていくことは難しいでしょう。

ですから、反復練習も含めて重要なことをきちんと言葉で説明できる指導者をどのように増やしていくか、指導者を育てる立場の我々も勉強しつづけなければならないと感じています。

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