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元全日本バレーボール代表が危惧する“指導のワナ”

2020年09月22日 公開

緒方良(日本バレーボール協会 指導普及委員会 副委員長/三晃金属工業 取締役)&真田幸光(愛知淑徳大学教授)

 

型にこだわる日本人、型にはまりすぎない欧米人

主役は、あくまで選手です。一方で「でも、スポーツには決まった型がありますよね。そういった必ず守らなければならない基本の部分については、指導者がリードして身につけさせることが必要ではないでしょうか?」とおっしゃる方がいます。

こうした疑問に対しては、私はこう考えています。

まず一つは、スポーツの身につけなければならない基本といわれる部分は、本当にコアのところだけです。そのコアの部分だけをきちんと身につければ、それ以外の部分については、それぞれの選手に合った応用でかまいません。

たとえば、バレーボールのオーバーパスであれば、ボールに指先の人差し指、中指のところがきちんと当たっているか、ということがコアであって、それ以外は個々に合った応用でいいのです。

「膝を曲げろ」とか、型についてこうするのがいいと言うことがあるのですが、そんなもの遠くに飛ばそうと思ったら勝手に膝は曲がるので、反復練習で身につける必要はありません。

おそらく野球でも投げ方について、必ず選手の手が通るところがあるのではないでしょうか。そこだけ、きちんと教えたら、あとは応用でかまわないのです。

欧米の選手を見ていると、そうした基本と応用の部分を本能的に見極めて、実にうまくやっているなと感じます。

私見ですが、日本人は決まった型を身につけるために反復練習を繰り返し、何時間も練習する、ということが得意な性格なのではないかな、とも思います。

そのため、選手も指導者も型を追究しすぎる傾向があるのではないでしょうか。身につけなれければならない基本というのは、本当にコアの部分だけでいいのです。

一方で、このコアの部分は反復練習をきちんとやって、しっかり身につけてもらいます。その際は、厳しく指導します。

私は、バレーボールのときも、ビジネスのときも「約束したことは、ちゃんとやろうよ」と言っています。そして約束したことをできないときには、厳しく指導します。

「始まりはここ、終わりはここ」「何回やります」というときに、違う動作をしたら、「なぜそんなことをするんだ」と指摘して修正します。コアの部分は、厳しく見ないと覚えられません。ただし、その際に叩いたりということは絶対にしてはいけません。体罰は指導者として失格です。

「身につけさせなければならないコアの部分」と「選手に任せていい応用の部分」、ここを見極めて指導することが、指導者にとって一番大切ではないかと思っています。

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