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終業後にチャットが…テレワークの「時間外労働」に手当を払うべきか? 法律の見解は?

寺島有紀(社会保険労務士)

2020年07月08日 公開 2022年07月14日 更新

 

テレワーク勤務時の「時間外労働」「休日労働」はどう管理する?

テレワークでもオフィス勤務時と同様に時間外労働・休日労働時間の管理は必要です。

前述している通り、テレワークで働く従業員についても労働基準法をはじめとした各種労働法は当然適用となります。つまり、36協定(時間外労働・休日労働の労使協定)の適用や割増賃金支給義務なども変わりません。

勤怠管理の義務も変わらずあるわけですので、時間外労働も当然に管理する必要がありますし、それに応じた割増賃金の支給も必要となります。

仮に事業場外みなし労働時間制を適用し、「テレワーク勤務時には8時間とみなす」としている場合や、裁量労働制を適用している場合には時間外割増賃金の支給が発生しないケースはありえます。

ただ、それでも深夜割増賃金や休日割増賃金の支給義務はありますし、勤怠管理の義務は変わらずありますので、時間外労働・休日労働時間の管理は引き続き行う必要があります。

また、テレワークの場合、とりわけ在宅勤務の導入において気を付けるべき点として、長時間労働・未払い残業代対策が挙げられます。

どういうことかというと、自宅で業務を行っている場合、夕飯を食べた後、残っている仕事が気になり業務を再開してみたり、週末にモバイルPCを持ち帰っていることで休日にもPC で業務の続きをしてしまったりと、オフィスで勤務しているときよりも「業務の終わり」の区別がつけにくくなります。

また、オフィスから離れたところで業務をしているということから、「目に見える成果を上げなければ」と普段以上に業務を行ってしまう従業員も多いようです。

在宅勤務に慣れていない従業員の場合、オフィス勤務時との環境差でパフォーマンスが落ちてしまうことを労働時間でどうにか補おうとして長時間労働となってしまうケースがあります。

このように、テレワークはどうしても長時間労働となりがちな要素が重なってしまっています。

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テレワーク時こそ気を付けたい「長時間労働」の問題

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