「仲間なのに公平ではない」職場が嫉妬を生む
だから、同僚に対して嫉妬心を抱いてしまうのは、あなたが悪いのではなく、職場で仲間意識が高められているにもかかわらず、狩猟採集時代のような公平な協力集団ではなく、富の偏りが放置されているのが原因です。
もし公平な協力集団を目指すならば、ある社員がとってきた契約の成果を職場の皆が共有して富が分配されるようにするべきです。
さらに他の社員は、契約をとるノウハウを教わり、「仲間が契約をとってきてよかった。今度は自分の番だ」と、自分を鼓舞するのが理想です。嫉妬心を感じたら、こうした理想の職場づくりを提案しましょう。
「同じ場所にいるだけの人」は仲間ではない
次に、嫉妬心が苦しい由来を考えます。嫉妬心は、必ずしも富を自分のほうに誘導しようとする利己心ではありません。
なぜなら、その偏った富が失われ、前の公平な状態に戻れば、自分が得をしなくても嫉妬心は解消されるからです。ところが、この点が悩みの種になります。
嫉妬心を発動すると、「仲間がせっかく得た富を失い不幸になること」を願っているように思えてしまうのです。すると、「こんな非道徳的な感情を持ちたくない」と自己嫌悪になります。
この状態の解決策は、仲間とはどんな人かをはっきり自覚することです。学校ではよく先生が「同じクラスの仲間なのだから仲よくしましょう」と言いますが、これは仲間の意味を混乱させます。
仲間とは本来、互いに助け合う関係になっている人たちのことです。ただ、同じ場所につどっているだけでは不十分なのです。つまり、狩猟採集時代のような仲間なら、得た富はこちらにも分配してくれるはずです。
分配してくれないのであれば、真の仲間ではないのです。だから、嫉妬心を抱いていても意味がないと割り切り、「ライバルを手本にして、次は自分があいつを負かしてやる」と奮起するのがよいのです。
嫉妬心は親密感の現れでもある
とは言え、大きな契約をとってくる同僚は、なんらかの点で有能な社員である可能性は大きいですから、ライバルにするより友人にしたほうがよいでしょう。
その場合、嫉妬心を抱いていることを打ち明けてみるのも一案です。嫉妬心を抱くのは、親密感の現れでもあるのです。
さらに、何か協力して大きな営業活動をする案件はないかなどと、水を向けてみるのもよいでしょう。有能な同僚と協力関係になれれば、それこそ契約をとってくるノウハウを教えてくれるにちがいありません。