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“伝わる文章の達人”が意識している「たった1つのこと」



2020年07月30日 公開

竹村俊助(編集者)

書くのがしんどい(竹村俊助)

「どうして自分の文章は読んでもらえないのか」。そんな悩みを抱える人は少なくないだろう。SNSでバズりを連発する人や、目を奪わるような文章を書く人には生まれつきのセンスがあるーーそう思い込んでいる人は待ってほしい。

じつは、おもしろい文章に近づけるにはコツがある。本稿では、ビジネス書編集者として多数のヒット作を世に出してきた竹村俊助氏。本稿では、『書くのがしんどい』(PHP研究所)を上梓した竹村俊助氏が、文章をワンランクアップさせる方法を紹介する。

※本稿は、竹村俊助著『書くのがしんどい』 (PHP研究所刊)の内容を抜粋・編集したものです。

 

「たとえ」の達人になる

「たとえ」は文章を魅力的にする方法です。

抽象的に理解させるだけでなく、イメージを脳内につくりだせるので実感を持って理解してもらえるのです。

たとえばこんな文章です。

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スゴい人と仕事をしたいからといって、スゴい人に近づいても意味はない。講演会やトークイベントであいさつしても、仕事をもらえることはまずない。

スゴい人はいわば「雲の上の山頂付近」にいるのだ。ぼくらがふもとに駆け寄っても見えてすらいないだろう。やるべきは「自分の山を登る」ことだ。腕を磨くことだ。

山をひたすら登って雲から抜け出たとき、自ずとスゴい人はこちらを見つけてくれるだろう。まず、自分の山を登ろう。
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ようするに「スゴい人に近づこうとするのではなく、自分の腕を磨こう」ということですが、山のたとえを使ったことでイメージがしやすくなったはずです。

抽象的な話だけで終わると、引っかかりがありません。「山」「雲」「ふもと」など、具体的にイメージできる言葉があることで「あ、なるほどな」と思ってもらえるのです。絶妙な「たとえ」はオリジナリティになります。

新しい思想や考え方、アイデア、理論を生み出そうとしても、長い歴史のなかでほとんど出尽くしています。先ほどの「スゴい人に近づこうとするのではなく、自分の腕を磨こう」という考え方だって、誰かがすでに言っていることでしょう。

ただ、そこで自分なりの「たとえ」を見つけることができれば、それは新しいものになります。自分だけのコンテンツになる。それが個性になるのです。

 

構造が似たものを探して、引き出しに入れておく

どうすれば「たとえ上手」になれるのでしょうか?

まずは、つねに「これは何かに似ていないかな?」「これはどういうものにたとえられるかな?」と考えるクセをつけましょう。ぼくも日々ツイッターをやるなかで「もっとうまく言えないかな」と考えることを習慣にしています。

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ほんと「すぐやる」ってそれだけで価値だなあとつくづく思う。時間をかければかけるほど、締め切りを延ばせば延ばすほど、時間の「利子」がついていくイメージ。100返せば良かったのに、120、130返さなきゃいけなくなる。すぐやらない人は時間の利子で借金まみれになっている。
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この文章は「お金と時間は構造が似ているな」という発見から生まれたものです。

来たメールをすぐ返せば「了解です」ですむのに、2〜3日置いてしまうと「遅れてすみません。ここ数日バタバタしておりまして……」などと余計なことを書かなければいけなくなります。これは借金の返済が遅れて利子がつくのに似ているなと思ったのです。

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「10年後、ここを森にしたい」と思ったら、いますぐ苗を植えないといけない。でも確信がなかったり不安だったりして「いつかここが森になるといいな」と思いながらも動かない。「木が生えてきてから考えよう」なんてことを言っている。10年後を考えるなら、いま苗を植えないとな。急に森はつくれない。
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これは大きなことを成し遂げるのは、長い時間かけてやっとできあがる「森」に似ているなと思ったことで書いたツイートです。たとえるものと似ている部分が多いと、納得度の高い文章になります。

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半径3メートル以内のことでたとえてみる >



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