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シリコンバレーで働いてわかった「日本人がお金持ちになれない」納得の理由



2020年08月24日 公開

酒井潤(シリコンバレー・エンジニア)

 

お金が集まる企業・個人の条件とは

シリコンバレーにはつねに、膨大なお金が一気に集まります。

ファイルをアップロードするだけのサービスしか提供していないような会社でも(日本でも昔からありました)、クラウドの流行に乗って、莫大な投資資金がつぎ込まれます。世界中の人が株を買うことで〝どこにでもあるファイルサーバーの会社〞でも、どんどん規模が大きくなるわけです。

かのFacebookも、上場前は学生による遊びの延長の雰囲気がありましたが、投資資金が集まったことで、博士号をもっているようなエンジニアがGoogleから大量に流れ、現在の地位を築きました。

日本ではシリコンバレーに対して「失敗に寛容な土地」というイメージがあるかもしれません。たしかに、これだけの資金が一気に集まるところを見ても、多少のリスクは度外視しても投資を優先しているようです。

しかしベンチャー・キャピタルからすれば、「リスクが取れる人=お金を増やしてくれる人」とみなしており、多少の失敗をしても、スピード感をもって開発できる人のほうが最終的な成功確率(リターン)は上がると考えているようです。

逆に、リスクをほとんどとらない会社で働いている以上、もらえる給料は高望みできないともいえます。

 

経営者がイケてる企業で働け

シリコンバレーのいいところ、輝かしい側面を求めて、調査にやってくる日本企業はとても多いのですが、ピント外れな行動を取りがちです。

日本人は、技術ばかりに注目してしまうのです。

シリコンバレーでは、何かが流行れば、似たようなサービスを手掛けるベンチャーがたくさん生まれます。日本企業から派遣された調査員は、こうした数多のベンチャーの技術や製品の特徴について、この機能が「ある」「ない」といった表にまとめ、「◯×△」などと評価していく作業をします。その表を日本に持ち帰り、「そのベンチャーがやってない機能を加えよう」と開発を始めるのです。

しかし、企業の成功は技術や機能の有無では決まりません。

「創業者がGoogle出身である」「過去に起業して実績を残している」など技術以外の要素で決まる場合が多いのです。製品の性能や精度よりも、経営者のほうが評価されているといってもよいでしょう。

投資家のジョージ・ソロス氏が「良い企業の株価が上がるのではない。株価が上がった企業が良い企業になる」と言っているように、株を買ってもらうことでお金を集めることができるから、結果的に規模が大きくなって、良い企業になるというわけです。

たしかに、それまで世になかった機能を開発したスティーブ・ジョブズ氏とビル・ゲイツ氏による「IT競争」はシリコンバレーの成功物語として取り上げられることも多く、インパクトも強い。ただ、これはあくまで過去の話です。

要するに、どんなに優れた技術や製品を開発しても、世界の時流に乗れなければ売れない、という厳然たる事実があるのです。

そうした世界の時流はシリコンバレーのお金持ちによってつくられています。だからこそ、シリコンバレーで成功しないと世界では勝てません。逆に言えば、シリコンバレーで成功すれば、自ずと世界で勝てるのです。これは個人についても、企業についても同じことが言えるでしょう



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