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Go To トラベルは効果があったのか? 星野リゾート代表が語るその実際と決意



2020年09月09日 公開

星野佳路(星野リゾート代表)&吉澤恵理(医療ジャーナリスト)

星野佳路(星野リゾート代表)

2019年12月中国で猛威を奮っていた新型コロナウイルスに関して多くの日本人が対岸の火事と思っていた。しかしながら、1月16日、日本国内初の感染者が報告されてから瞬く間に感染は拡大し、4月7日から5月6日までの1ヶ月間、緊急事態宣言が発令された。

卒業旅行や桜を目で家族や仲間と親睦を深める春、海や花火などで賑わう夏を自粛モードで過ごしコロナによって我々が失ったものはとてつもなく大きい。

今後さらに続くwithコロナ社会を生き抜くためには感染防止とともに「心が疲弊」しないような対策が必要である。どうしたら心が疲弊しないか...その方法は多々あるだろうが重視すべき点がいくつかある。

・感染リスクを抑えること
・人との心の触れ合いを感じること
・不安を煽る情報から離れること

こういった条件を満たしリフレッシュする方法にフィットするのが「マイクロツーリズム」だ。

マイクロツーリズムとは自宅から1-2時間で行ける範囲の旅行を意味し、地元を中心とした近隣地域の良さを再発見する旅である。マイクロツーリズムを推し進める星野リゾート代表、星野佳路氏に話を聞いた(聞き手:吉澤恵理)。

 

NO密の徹底する対策

緊急事態宣言が実施された4-5月には、普段予約がなかなか取ないほど人気の星野リゾートといえどもキャンセルが相次いだという。

「特に4月の緊急事態宣言が出たときにキャンセルがピークに達した時は、スタッフの不安が大きくなりパニックになった感じがありましたね。『これから会社どうなっていくのだろう』ということに対してすごく不安に思ったのは事実だと思います。

そこで私が社員たちに提案したのは『4月5月に縛られて考えるのではなく、新型コロナは長期化するので『18ヶ月』を見据えて生き残り戦略を考えようということ。必ず感染の第一波と第二波の間には需要が上がってくる時期がある。

同様に第二波、第三波の間にも必ずそういう時期はあるのでそこでしっかりと収益を上げていこうと話をしました。とは言っても例年通りの収益は難しいのですが倒産を招くことがない方法を取り得るのでそれを目指して行こうと。そういった方向性を明確にして生き残り策を発表した頃からスタッフも落ち着きを取り戻しました」

旅行客が安心して施設を利用するには徹底した NO密が必須だと考え各施設の現場のスタッフにも活発な発言を促した。その結果、リゾート全てで『最高水準のコロナ対策宣言』ができるほどの徹底ぶりだという。3密の回避については、星野リゾートならではの工夫がある。

「せっかく温泉に来た利用者の皆様には、やはり楽しんでいただきたい...そういった思いから『全部中止することではなく復活させていこう』と考え、大浴場はアプリで混雑状況がわかるように密の見える化を図り、ビュッフェも3密を回避しソーシャルディスタンスを保つ工夫をして再開しました」

ビュッフェには、メディカルナノコートの塗布や、アクリル製のカバーを料理に設置するなど、接触感染と飛沫感染の徹底的防止策を講じ、利用者同士がソーシャルディスタンを保てるよう常にスタッフが管理する体制をとっている。

「星野リゾートの行う最高水準のコロナ対策は、普段の生活でも参考にしていただけると思いますし、どの施設も『密』とは無縁な環境にあります」

また、情報が溢れる現代、24時間コロナのことを考えてしまう環境下に置かれている。ウイルスだけでなくその情報からも離れることが大切かもしれない。

「そのストレスは相当なものだと思います。『30分でも1時間でもちょっとコロナのこと忘れてたよ』と安心して滞在していただける、それが今、観光価値を見出せると思います。そんな滞在を提供することができるように努力しています」

 

マイクロツーリズムは大人の醍醐味

人生を旅に例える名言が多いように旅の経験は心の栄養となり人間性を高める。海外渡航も難しいコロナ禍でマイクロツーリズムの旅の良さを多くの人に伝えたいと星野氏は語る。

「自宅から1−2時間で行ける場所へ何か思いついたらこの週末ちょっと行く。そういった旅行を例えば季節ごとに年4回、同じ宿や同じ場所に行ってみる。近場の観光地でそういう自分の行きつけの温泉旅館を見つけるっていうのも面白いと思います」

行きつけの温泉旅館はハードルが高いようにも感じるが?

「行きつけの店に行くと店主やスタッフとの会話が弾むじゃないですか。行きつけのレストランやバーを持って大人になったなって感じた人も多いと思います。

もう一歩、大人になったら行きつけの温泉旅館を持つ。そんな旅が私はマイクロツーリズムの醍醐味だと思っています。その楽しさをですねぜひ、伝えていきたいなと思います」

マイクロツーリズムは新しい時代の大人の流儀となりそうだ。しかし、都市近郊でのマイクロツーリズムは大きな需要が生まれると思うが、地方において地元近隣へのマイクロツーリズムは需要があるのだろうか。

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