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明智光秀が読んでいた「三冊の本」の重要な意味…『麒麟がくる』がさりげなく伝えること



2020年11月07日 公開

前田慶次(名古屋おもてなし武将隊)

前田慶次(名古屋おもてなし武将隊)

《名古屋城に詰め、観光客をもてなす「名古屋おもてなし武将隊」は武将と足軽の10人組。2009年11月、名古屋開府400年のPR大使として名古屋にゆかりの6人の武将と4人の足軽で名古屋おもてなし武将隊が結成され、10年以上にわたり活躍を続けている。

そのうちの一人、前田慶次氏は名古屋城検定に検定過去最高点で合格し同検定の名誉顧問、さらに日本城郭検定にも合格するなど歴史への造詣も深い。

前田慶次氏が自身のYouTubeチャンネル「前田慶次5分で戦国時代チャンネル」にてNHK大河ドラマ『麒麟がくる』を徹底解説している。本稿ではその一部を紹介する》

※本稿はYouTubeチャンネル「前田慶次5分で戦国時代チャンネル」にて配信された内容を再構成したものです

 

文人・明智光秀を表した「三冊の本」

『麒麟がくる』第30回「朝倉義景を討て」、此度の放送で金ヶ崎の戦いまで参るかと思うたが、時の流れが進まず45分で1年程であった。「信長包囲網」形成のきっかけは、帝(天皇)からの勅命という、歴史的に熱い場面が描かれた。

ドラマ冒頭、光秀が二条城で片付けをしている時に三冊の本が登場した。『公事根源(くじこんげん)』『吾妻鏡(あずまかがみ)』『徒然草(つれづれぐさ)』の三冊で此度の放送で重要な役割をもつ。

『公事根源』は宮殿の一年間の儀式等の公務をまとめた書。『吾妻鏡』は鎌倉幕府の歴史書。つまり光秀は幕臣として、腐敗する幕府の為に幕府というものを一から学び直している。

光秀は帝との今後の関りを予想し、「自分が仕事をするやもしれぬ」という心構えが読み取れる。しかしながら結果的に信長が帝に拝謁し、進行する幕府の腐敗が光秀の目の前で描かれた。

最後に、ドラマでは幾度も登場している『徒然草』。光秀が信長に対して、8歳の子が親に話した仏の話を伝えた。

これこそ「徒然草」最終段の内容である。今迄もそうであったが、文人光秀を描く上で書物は重要な表現方法である。今後も光秀が読む書物には目が離せぬな。

 

秀吉の弁当に詰められた「蛸の煮物」の意味

平均寿命が30~40代の戦国時代に、権力者達はそれを超えて長生きをした者が多い。その差を分けたものが食であった。

今でこそ、食事が体づくりに直結していることは科学的に証明されているが、戦国時代には、その認識はなかった。

秀吉が持参した妻・ねねのお手製の腰弁の中身は「こわ飯」と「牛蒡(ごぼう)」と「蛸の煮物」の三種類。

こわ飯は、現世のもち米の如き飯。食べる時は祭りや正月といった、めでたい日に食べるもの。現世の赤飯的な立ち位置、秀吉なりの祝い方であったということじゃ!

牛蒡は秀吉出自の尾張中村の名産品。この『麒麟がくる』恒例のご当地名産物紹介、久方振りであるな。蛸の煮物は栄養価が高く、秀吉が愛した料理の一つ。

日常より海産物を口にしていた秀吉。体力と頭の切れが抜群なのは、食事のお陰もあったか、伝説の中国大返しを始めとする体力自慢の武勇伝が多いことと関係があるやもしれぬ。

 

後に命のやりとりをすることになる織田信忠と明智光秀

奇妙丸こと、後の織田信忠が登場! 幼少ながら、織田家という大名家らしい風格を持ち、家臣の光秀も平伏した。

本能寺の変で、光秀は信忠も狙い、命を奪う。この関係性も語られるかとも思ったが、今回はその描写はなかった。

此度の鍵は、織田家が美濃国を平定してもなお美濃を狙う人間がいたということ。それが、かつての当主斎藤龍興である。織田家が美濃国を治めることを民衆へ説得する為に、信長は策を講じる。

斎藤家の血筋を柱としてすえる策をとった。織田家は、前当主斎藤家の血筋である帰蝶を前面に出したのである。そのため側室吉乃の子、信忠を正妻(帰蝶)の子とした。

帰蝶の台詞でも「私が育てた。実の子にも思える。」と表現。岐阜支配の正当性を高め、一揆を抑制し、民衆を治める方法の一つとしてドラマとして上手く描かれていた。

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