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「どうせ失敗する」「やってもムダ」 抵抗勢力という名の“モンスター”の攻略法

沢渡あまね(業務改善・オフィスコミュニケーション改善士),元山文菜(株式会社リビカル代表取締役)

2020年11月12日 公開 2022年02月22日 更新

 

1人1人を整理して、コミュニケーションの攻略法を考える

優先順位がわかったら、次はどのようにコミュニケーションを取っていくのかを考えます。彼ら・彼女たちを攻略する場所は、プロジェクトの中だけとは限りません。そこで、次の手順で、だれが、どのタイミングで、どのように攻めていくのかを一覧で可視化します。

(1)モンスターマッピングの優先順位順に並べ、現在の業務改善活動に対するスタンスを「賛成」「中立」「反対」で書き出す。

(2)仕事を進めるうえで重要だと考えていること、大切にしていること、モヤモヤだと思われるポイントを書き出す。

(3)どのような状態でプロジェクトに関わってもらえるのが望ましいのかを書き出す。

(2)がとても重要で難しいところです。抵抗勢力としてモンスター化する人たちは、自分が大切にしているポイントが揺らぐと不安に駆られて、プロジェクトに待ったをかけたくなります。すでにモンスター化している人は、不安がモヤモヤとなって開花している状態です。そのポイントを書き出します。

このように、現状の彼ら・彼女たちの様子(スタンスと関心ポイントorモヤモヤ)と望ましい状態を明確にして、どのようなコミュニケーションを取っていくのかを検討します。

「部長とは喫煙所でたまに会うから、ちょっとした報告をしつつ、部会などでも業務改善を推進している姿勢を示してもらえるようにお願いしてみる!」

「リーダーとはたまにランチに行くから、それとなく現状のモヤモヤを吐き出してもらって、手助けをお願いしてみる!」

チームメンバーの中で具体的なコミュニケーション攻略方法が明確になります。モンスターマッピングを活用して、見えない敵に怯えている状態から前進できるのです。

 

目に見えないところにモンスターは潜んでいる

業務改善活動とは、モンスターたちとの闘いそのものでもあります。だからこそ決して忘れてはいけないのは、業務改善の効果は短期的に現れるものではないということ。何年も不摂生な生活をしてきた人に対して、飲めばスグに効果の現れるサプリがないのと同じ。

「業務改善」をキッカケに、冬眠していたモンスターたちが叩き起こされ、目に見える形として現れただけなのです。じつはずっと前から、彼ら・彼女たちはそのチームにいて、放置されていたのです。

だからこそ、短期間でモンスターたちを退治できるわけがありません。ただ、モンスターが変化するタイミングは訪れます。はじめは批判ばかりでも、時間を重ねることで「とはいえ、どうしたらいいんだろうね?」という言葉が少しずつ増え、「だったら、こういうことをしてみる?」といった発言が積み重なり、いつしか社内で認められる存在になった例も見てきました。

一朝一夕にはいかないと理解しつつ、「確実に変わるのだ」という強い意識を持って取り組んでください。

 

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