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「時間が足りないと感じる人」ほどスケジュールを崩壊させる理由

佐々木正悟(作家/心理学ジャーナリスト),大橋悦夫(実業家)

2021年01月03日 公開 2022年12月27日 更新

「時間が足りないと感じる人」ほどスケジュールを崩壊させる理由

「いつも時間が足りず忙しい」
「気が乗らない仕事を先送りしがちで、よく締切に追われている」
「年末年始にやることを決めていたのに、結局ほとんど手をつけないまま終わってしまう」

ビジネス書作家であり心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏はこうした悩みについて、多くの人は自分が時間内にこなせる作業量を正確に把握しておらず、そもそも実現が不可能な計画を立ててしまいがちだと語る。

同氏は著書『なぜ,仕事が予定どおりに終わらないのか?~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術』の中で、時間に追われる人の共通点とその解決策を提案している。本稿では同書より、時間に追われる人がハマりがちな落とし穴ついて書かれた一節を紹介する。

※本稿は佐々木正悟(著)大橋悦夫(監修)『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術』(技術評論社刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

こうして「今日もまた残業」のコースに入っていく

一般のToDoリストなどに従っていると、朝は「まだ朝だから時間がある」というふうに、変に余裕を持ったりして、結局ムダに時間を過ごすことになります。

だからといって、朝からバリバリ仕事をして、「数分の、あるいは数秒のムダも省こう」とフル回転していては、夕方までに燃え尽きてしまうかもしれません。それも不安です。

夕方に燃え尽きても、まだ仕事は残ってしまうかもしれませんし、そうしたらグロッキー状態で残業する羽目に陥ります。

「それが怖いから朝からガンガン仕事はやれない。でも、ムダな時間を過ごしているほど余裕がないことも明らかだ」

というわけで、多くの人が朝一番には「とりあえずメールチェック」とか「とりあえず仕事の準備」といった作業を開始してしまいます。極端なことを言うようですが、このパターンで多くの人が、「昨日と同じように、今日も残業」というコースに入っていってしまうわけです。

 

1日を区切ると見えてくる「詰め込みすぎ」の現実

1日を複数に区切る

では、ならば「とりあえずやる」代わりに、どうしたらいいのでしょうか?

最初にやることは、1日を1~3時間単位で、複数に区切ることです。あくまでも一例ですが、上記の図のように区切ってみましょう。

これで9セクションに分かれています。起きている時間が18時間だとすれば、1セクションは平均2時間ということになるでしょう。

このようにセクションを分けることで「このセクション2時間で休憩も含めてこれら全部ができるか?」という自問に答えられるようになっていきます。

やってみるとわかりますが、「連日残業していて、真夜中を過ぎるまで寝られない」という人は、きちんと見積もるだけで必ず、どのセクションも「それ以上、何も入れられない」ようにパンパンであることがわかります。

まるで荷物を持ちすぎる人の旅行鞄のように、「5個用意して、どれもいっぱいいっぱいで、全体重をかけても閉まらない」ようになっているのです。

1日をどこで切っても「やることでいっぱいいっぱい」であるなら、一番余裕のある時間帯に「とりあえず」何かをやっている場合ではありません。

たとえば、午前の10~12時の間に終わらなかったことで、しかし絶対にやらなければならないことがあるなら、その分は必ず以後の時間のどこかでやらなければならなくなります。

つまり、「12時までにしなければいけないことのうちの仕事の1つが終わらず、その仕事に10分かかる」ということであれば、会社から出られる時間が少なくとも10分は遅くなり、眠る時間も10分減るのです。

9つのセクションにおいてそれが起こるなら、単純計算では90分、つまり1時間30分睡眠時間が削られます。始業時間を動かすことができないなら、そうなるしかありません。

1日6時間眠りたい人は、4時間30分しか眠ることができないことなります。7時間寝たい人なら、5時間30分になります。毎日こうなら、相当ストレスのたまる状況です。

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1セクションに、最低5%の余裕が必要

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