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細川藤孝と秀吉の密談から裏切りの予感… 『麒麟がくる』が1話で描いた“光秀謀反への3年”

前田慶次(名古屋おもてなし武将隊)

2021年02月06日 公開 2022年06月30日 更新

 

織田軍10年の苦労、「石山合戦」が決着

1570年から続いていた石山本願寺勢と織田軍の対決。世で申す「石山合戦」が1580年の此度で終結。ドラマで大きく取り上げられた天王寺砦の戦い。終結には帝が大きく関わっており、和議を結ぶ形で終わりを迎えた。つまり、戦いで倒したという形ではない。

和議交渉には、前関白の近衛前久が本願寺に派遣された。本願寺側から申し入れがあったとも伝えられている。本願寺の法主、顕如は嫡男の教如に石山本願寺を譲るが、後に顕如対教如という構図が生まれ、本能寺の変の後に石山本願寺は二分化した。

 

曲直瀬道三が"別に"存在した『麒麟がくる』

これまで儂は「東庵は、曲直瀬道三を見本にしておるのではなかろうか?」と案内して参ったが、まさかの二人は古くからの友人という設定が判明した。

曲直瀬道三は戦国の世で医学を発展させた第一人者。日本の医学界の中興の祖と言われ、現在でも神様的な存在である。天下人を始め、正親町天皇達を診断していた。

故に、東庵が帝と囲碁や将棋で戯れる場面が描かれていたので、曲直瀬道三と予想していたが今回の放送で別人物ということがはっきりした。

 

再び登場、帰蝶“目が見えない”と語った理由とは

戦乱の世を裏で操っていた人物のことを、フィクサーと呼んでいる。「麒麟がくる」での、フィクサーは帰蝶である。帰蝶が大物を動かし、話の中心にいた事がこのドラマの面白味でもあった。

今回、光秀の相談に対し帰蝶は道三の声として、「信長に毒を盛る」と答える。非常に熱い場面であった。

この場面、注目すべきは帰蝶が「夕刻辺りから目が見えない」と話した点。

これは、「夕暮れ=戦の終わり」と表現できる。赤き空は血が流れる世の中を表し、そんな世の終わりが見えなくなった事を伝えていた。これ迄は「信長となら、泰平の世ができるかもしれない」と帰蝶は考えていた。

しかしながら、暴走し始める信長。時を重ね、帰蝶から将軍、帝、光秀と信長は承認相手を変えていく。

そして、己を満たす為の行動へと変わっていった信長。「再び夕暮れを目にするためには信長を倒すしかない」と身内ですらそう考えてしまう、戦国の世を伝える難しい場面であった。

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徳川家康も影響を受けた光秀の政治力

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