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「閉鎖的な宗教コミュニティから抜けた体験」を本に書いた女性に起こったこと



2021年04月08日 公開

デボラ・フェルドマン(訳:中谷友紀子)

アンオーソドックス デボラ・フェルドマン
(写真:Alexa Vachon)

現代のニューヨークにあるユダヤ教超正統派コミュニティ。ここでは言語や服装、言葉を交わす相手まですべてが“しきたり”で決められている。

PCや携帯電話、テレビなどの娯楽は禁じられ、読んでいい本も限られる。女性は、結婚後は髪を剃ってカツラを強制させられ、より多くの子をもうけることを望まれる……。現代社会とは断絶された閉鎖的なコミュニティだ。

デボラ・フェルドマンはこのコミュニティで生まれ育つが、生きづらさを抱き苦悩する。

自由と自立を求め、息子を連れてほぼ身ひとつでコミュニティから抜けだすと、2012年に自らの半生を綴った回想録『アンオーソドックス』を刊行、2020年には本書を下敷きにしたNetflixのドラマシリーズが配信され、世界中で大きな話題を呼ぶ。

しかし、成功を手にするまでの10年は、決して順調な道ではなかったという。コミュニティから抜けだし、数多の困難を乗りこえたデボラ・フェルドマンはいま何を思うのか。

※本稿は『アンオーソドックス』(&books/辰巳出版)の著者デボラ・フェルドマンのインタビューから抜粋・再編集したものです。

 

アメリカ的な宗教問題に“世界”から共感を得た

――『アンオーソドックス』が文化や言語を超えて共感を得たことについて、どのように感じましたか?

驚きました。書いているときには、このような反応が起きるなんて、まったく考えもしませんでした。

実際、書き始めたときは恐怖と戦っていたんです――「誰も私を理解してくれないんじゃないか」って。宗教からの逃走はアメリカ的な物語なんです。

周囲のみんなも「あなたの話ってとてもニッチでとてもローカルだからニューヨーク以外の人たちには理解できないだろうし、ニューヨーク以外で本が売れると思えない」と言っていましたから。

 

ローカルな物語が世界に「繋がり」を呼んだ

――Netflixのドラマシリーズ「アンオーソドックス」が配信され、世界中で反響を得たことについて、どう思いますか?

もちろんシリーズは、本への道を切り開いてくれました。当然ながら、シリーズと本は同じではありません。本、ドラマシリーズのどちらかに"自分の物語"だと思った人、どちらとも"自分の物語"だと思った人がいるでしょう。

でも結局のところ、わたしが主張する普遍的なものはそういうことではありません。

わたしたちは長い間、「自分と異なる人生を送ってきた人には、なにかユニークで異質なものがある」という考えを信じてきた、もしくは信じこまされてきました。しかし、わたしたちが生きているいまという時代は、そうした神話が崩壊しつつあります。

『アンオーソドックス』は、単なるそのプロセスの一部だと思うんです。

これは人によっては脅威だと思います。そこには何かしらの解放があるからです。

たんに、物語を見たり読んだりするうちに"わたしの物語"だと認識するだけでなく、「繋がる」ことで解放が得られると思うんです。全世界の人々が繋がることで、動きを止め、その中に誰もが自分自身を見ることができる。それこそがいま起こっていることです。

わたしの物語があらゆる場所で爆発的な支持を得て、30言語に翻訳され、その瞬間に異なる国、異なる文化、異なる言語を話す女性たちが、それによって繋がったんです。

2~3世代前には非常にローカルな場所にとどまっていた物語が、いま、この瞬間を生きる世界中の女性たちに届いたんです。それは、認識以上にエキサイティングだと思います。わたしたちがより大きな認識の一部だということを理解できたんですから。

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