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なぜ「SNSで自分語りばかりの人」は嫌われるのか?

徳力基彦(noteプロデューサー・ブロガー)

2021年05月14日 公開 2023年08月17日 更新

なぜ「SNSで自分語りばかりの人」は嫌われるのか?

「組織に属するビジネスパーソンこそ、SNSをビジネスに活用したほうがいい」。そう話すのは、『「普通」の人のためのSNSの教科書』著者で、noteプロデューサーの徳力基彦氏。会社員時代からSNSやブログでの発信を始めたことで、社外ネットワークを築くことができ、今につながったという。

さらに注目なのは、一部のインフルエンサーのような過激な発信は一切していないそうだ。徳力氏が考える「普通のビジネスパーソンのためのSNS活用術」とは?(取材・構成=杉山直隆)

本稿ではビジネスにSNSを活用する際に注意しなければいけない点と、より効果的に使うコツを紹介する。

 

リアルと同じく「自慢話ばかりの発信」では閉口される

Twitter やFacebook のアカウントを立ち上げたら、次は何をすれば良いでしょうか。多くの人は積極的に発信することが大事と思うかもしれません。

しかし、発信したいことがある人でも、まずは「傾聴」から始めましょう。具体的に言えば、自分の仕事に役立つ情報を発信している「師匠」的な人を数多くフォローして、その投稿をひたすら読むことに徹するのです。

Twitterはもちろん、Facebookでも識者などをフォローすれば、その人の投稿内容が読めるようになります。師匠までいかなくても、気になる情報を発信する人でも構いません。

なぜ「傾聴」が先なのか。それは、発信から始めると、よほど天賦の才がある人でない限り、失敗するからです。「私は仕事の実績がある(面白いネタを持っている)から、みんな読んでくれるはず」と思って投稿を始めたのに、バズるどころか、全然読んでもらえない。

フォロワー数も1~2ケタのまま。あまりの手応えのなさにショックを受け、やめてしまう……。よくあるパターンです。これはSNSを既存のメディアと勘違いしているから起こること。SNSはメディアのように見えますが、本質的には「オンラインでおしゃべりできる」コミュニケーションツールです。

だから、一方的に発信するだけではなかなか読んでもらえませんし、フォロワーも増えません。リアルの場で、自分のことばかり自慢気に話す人がいると閉口してしまうように、オンラインの場においても、一方的に話し続ける人は好かれないのです。

発信を聞いてもらうには、まず、コミュニケーションできる人間関係作りをすることが欠かせません。その方法こそが、まず自分からフォローして、発信を読むことなのです。

傾聴に慣れたら、次は「リアクション」。発信に対して「いいね」やリツイート、シェアをしたり、コメントをつけたりしてみましょう。すると、相手も自分をフォローしてくれたり、コメントに答えてくれたり、と双方向でやり取りできる関係ができてきます。

 

鋭い発信は不要。ニュースのメモでOK

「傾聴」と「リアクション」によって、SNSに慣れてきたら、発信を始めましょう。Twitterを見ると、仕事のコツや心構え、業界の最新情報などをツイートしている人がたくさんいます。

それを見て、「私は鋭い発信はできない」と思うかもしれませんが心配はいりません。むしろ最初は、仕事に直接かかわるような投稿はしないことをお勧めします。実名での発信なので、関係者の誰かが不利益を被るかもしれないからです。

取引先の文句は絶対にNG。逆にべた褒めもやらせに見えて、マイナスの印象を与えることがあります。そのさじ加減がわからないうちは、仕事の投稿をすべきではありません。

最も無難であり、私がお勧めしているのは「メモ」。ニュース記事や本などを読んで、それについて考えたことを投稿するのです。考えたことと言っても、識者のような気の利いたことを言わなくても大丈夫。最初は「面白い」「気になる」とひと言コメントするくらいで十分です。

毎日投稿するに越したことはありませんが、負担に感じるなら、気が向いたときで構いません。すると、その投稿を見て「いいね」やコメントをしてくれる人が出てきます。互いにやり取りするようになれば、徐々に人間関係が築かれていきます。

こうしてSNSでの発信をしていると、長文で発信したいことが出てくるかもしれません。そうしたら、noteやブログなどを立ち上げて、そこで思う存分書くと良いでしょう。SNSにリンク先を貼れば、読んでもらえやすくなります。

noteやブログに書いた記事は、プルのコミュニケーションを引き起こす「自分の分身」。ネットにアップしておけば、それを見つけて読んだ人が、SNSでフォローしてくれたり、仕事の相談などで連絡してくれたりする可能性があります。記事を蓄積すればするほどその効果は高まるでしょう。

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