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「自己PRなんて無い…」と悩む就活生も使える、テレビの“ずるい言い換え”テクニック

本橋亜土(番組制作会社スピンホイスト代表取締役)

2021年05月25日 公開 2022年08月16日 更新

 

「言い換え」で切り抜けられないときは

ここまで、「言い換え」のテクニックについてお伝えしてきました。ただ、そんなに都合よく全てが言い換えられるわけはありません。

ここまで紹介した「長短言い換えの法則」や「イチ押しポイント」などで切り抜けられない局面はたくさんあります。

でも、あきらめる必要はありません。ここでは、タレントが食レポをするときや情報番組のナレーションを作る際、ピンチを切り抜けるために使われているテクニックを紹介しましょう。名づけて、「当たり前」の法則です。

自慢できるところがない場合は、焦らず「当たり前のこと」を探して、それを褒めればいいのです。

たとえば、グルメ番組で食レポを行う際、出された料理にあまり特徴がなかったとします。牛肉を使った煮込み料理なのですが、見た目も味も超普通……。

そんなとき、嘘をつかずに、どうやって魅力的にレポートすればいいのでしょうか。答えは「当たり前のこと」に立ち返る。

牛肉を使ったメニューなら、当然牛肉の味がしますよね。そこを前面に打ち出すのです。たとえば、こうすればどうでしょう?

"肉本来の味がしっかり味わえる「絶品牛肉料理」"

なんだか美味しそうな料理に感じませんか?でもよく考えれば当たり前ですよね、牛肉なんだから。

大豆が原料の大豆ミートを食べて、肉本来の味がしたら、それはすごいことです。だけど、材料が牛肉だから肉本来の味がするのは当然のことです。スーパーで買った特売の牛肉でも肉の味はします。

でもこの「当たり前」が意外と使えるんです。これは、広告や雑誌の記事でもよく見かける表現です。あえて当たり前のことに立ち返り、自信を持って打ち出す。あとは、その当たり前のことを、「イチ押しポイント」にして、魅力をグーンと引き上げればいいだけです。

これを使えば、インスタの写真につける、気の利いた一文も簡単に作れるようになります。

また、競合に比べ機能の少ない家電製品をプレゼンしなければならないときは、"「基本性能」に立ち返りました。"

デザイン性が高いわけでもなく、広さも普通の住宅をPRする際は、"「住み心地」を徹底的に追求しました。"

よく考えてみれば、家電製品が基本性能を大切にしたり、住宅メーカーが動線や間取りなどを工夫したりして住み心地を追求するのは当然です。ライバル会社も同じような努力をしていることでしょう。

でも、こうやって自信満々に「当たり前」を強調することで、情報を魅力的に伝えることができるようになるのです。

以上のように、どんなに凡庸なものでも言い方ひとつで印象をガラリと変えることができます。

これらのテクニックは、PRにはもちろん、会議でも、プレゼンでも、SNSでも、普段の会話でもあらゆるシーンで応用できますので、ぜひ取り入れてみてください。

 

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