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戦国時代のID代わり!? 450年の歴史を持つ「真田紐」に隠された秘密

2021年10月14日 公開

真田幸光(愛知淑徳大学教授),墨屋那津子(真田紐スペシャルアンバサダー),墨屋百香(Atelier sumiクリエイティブディレクター)

真田幸光氏,墨屋那津子氏,墨屋百香氏

「真田紐」という450年の歴史を持つ紐がある。戦国武将・真田幸村(信繁)とその父・昌幸が特に品質の良い真田紐を織ったことからその名が名付けられたとされ、かの茶人・千利休が箱紐に使っていたという。

国際金融論の専門家であり、愛知淑徳大学の教授や、官民問わず多くの顧問やアドバイザー業務、メディア出演などで活躍する真田幸光氏は、戦国武将・真田家の末裔(真田信之から数えて14代目)でもある。次男だった祖父の代より分家となり、現在では本家ではないが、現在も真田家とはゆかりが深い。

そんな真田幸光氏と、真田紐スペシャルアンバサダー・墨屋那津子氏、「Atelier sumi」クリエイティブディレクター・墨屋百香氏の三人によって実現した対談。そこで語られた真田紐の意外な使われ方とは?本記事では、対談の一部を紹介する。

※本記事は真田幸光オンラインサロン「経済新聞が伝えない世界情勢の深相~真田が現代の戦国絵図を読む~」内で公開された動画コンテンツより一部を抜粋・編集したものです。

 

「無数のパターンがある」「織るのに時間がかかる」を利用した発想

【墨屋那津子】真田紐の使い道は多様です。現在、セロハンテープやガムテープは当たり前に使われていますが、そういったものがなかった昔は、くっ付ける、結ぶというのは、ほとんど真田紐で行っていたようです。

また組紐も昔からありましたが組むものですから、どうしても真田紐と比べて伸びてしまいます。そこで、真田紐を考えた真田さんのご先祖様は、本当にすごい方法を考案されました。直角に織るのです。

時間はかかりますが、伸びることなく、荷物を運搬するなど、様々なものに重宝されました。雪の上を歩く時のかんじきにも使用されていたそうです。結ぶことはもちろん、とにかくなんでも使っていました。個人的に驚いたのがなんと暗号としても使われていたことです。ご存じでしたか?

【真田】知りませんでした。

【墨屋那津子】真田紐というのは、もちろんこういった淡色もございますが、色柄が無数に織れます。そして、色柄を織るのに非常に時間がかかるという特徴があります。この特徴をふまえて何に利用したかというと、現代でいうところのIDの代わりにしていたのです。

例えば、真田さんはこの柄、私は赤だとします。すると赤い紐がついてきたプレゼントは安心して開けられませんか。しかし、見ず知らずの紺色と赤のものが送られてきたら、むやみに開けられませんよね?

真田紐

【真田】開けられません。怪しいと思います。

【墨屋那津子】怪しいですよね。ですから、今で言うと伝票や印鑑の役割を担っていたのです。そういった知恵もあったのです。

【墨屋百香】武士の本家と分家を見定めるのにも使われていたようです。分家の方々には線が一本入っているとか。また、甲冑を結ぶのに用いられたというのは有名な話です。

亡くなった方が使っていた紐で、その方がどこの家の誰なのか。身元を確認するために紐が使われていたという例もありました。戦場で身元を見分けるために紐をつかうということに着目して、千利休も使用し始めたという説もあります。

また、頑丈さ故というのもあります。組紐と真田紐の利用方法の違いとして、組紐は貴族といいますか、上の位の方が使用するとても高級なものです。一方で、真田紐は明治でいうとランプを下げるための紐だったり、ズボンを吊る紐であったり、昔も今も日常の中で多くの人々が使う紐として普及していったという面があったようです。

一説によると明治天皇もおズボンを真田紐でお締めになられていたそうです(引用元:明治天皇生誕150年記念正論12月臨時増刊号明治天皇とその時代発行所産経新聞社)

【真田】なるほど。真田の家は、信州の田舎の地侍で山伏の頭領みたいなものでした。庶民の人たちと一緒になって、一生懸命に暮らしていた。そして、どうやったら生きやすくなるのかということを常に考えながら頑張っていたのが、真田昌幸という人物です。

もともと昌幸が暮らしていた生活のものを(九度山に行った後で)生活の糧にしていくということで作られていたったものだと聞いています。真田の家の者が考案したというより、庶民との繋がりの中で生まれていった実用性のあるものが真田紐であったのではないかと思います。しかし、その後、日本中でそんな使われていたというのは、初めて伺いました。

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