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生き方

離婚を決意した女性の周りから「ずるい人」が消えた理由

加藤諦三(早稲田大学名誉教授、元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員)

2021年11月03日 公開 2023年07月26日 更新

 

憎しみの感情を消すしか救済の道はない

憎しみの感情を消すためにはどうしたらよいか。それはそう簡単なことではない。多くの人がこれを試みて失敗している。

だが、地獄からの出口はこれ一つしかない。憎しみの感情を消すためには、自分を理解することである。自分は憎しみの感情に振り回されていると自覚する。

次に自分を苦しめた人、つまり自分の憎しみの対象を理解することである。なぜあの人はここまで自分をいじめぬいたのか、その理由を理解するしかない。

「理解する」などと言えば、感情的にも肉体的にも虐待を受けた人は「何も分かっていない」と思う人がほとんどであろう。

肉体的ないじめは分かりやすいから、そうしたこともあるだろうと理解をする人もいるかもしれないが、感情的ないじめは分かりにくいから、それに対しては理解を示す人はあまりいない。

英語に、「猫がネズミをなぶり殺す」という表現がある。「猫がネズミをなぶり殺す」ように子どもの心をなぶり殺すなどといえば、ひどいことをする親がいるものだ、という人がいるかもしれない。

しかし繊細な子をからかいながら、とことんいじめる親はこれをしているのである。

冷酷な親から「猫がネズミをなぶり殺す」ようにしていじめぬかれた子に対して、自分をいじめた親を「理解する」などと言えば、その子は「何も分かっていない」と怒りを覚えるであろう。

しかしそれにもかかわらず、地獄からの出口は「憎しみの感情を消すこと」、これしかない。憎しみの感情を持つ人にとって、地獄からの出口はない。

レジリエンスのある人が「信じた」ように、憎しみの感情を消す決意をするしかない。

【著者紹介】加藤諦三(かとう・たいぞう)
1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系列ラジオ番組「テレフォン人生相談」は半世紀ものあいだレギュラーパーソナリティを務める。   

 

著者紹介

加藤諦三(かとう・たいぞう)

早稲田大学名誉教授、元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員

1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系列ラジオ番組「テレフォン人生相談」は半世紀ものあいだレギュラーパーソナリティを務める。

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