管理しきれない実家のお墓...実はメリットも多い「墓じまい」の手引き
2021年12月22日 公開 2024年12月16日 更新
CASE1:疎遠になっていた実家のお墓「あとは任せる」と突然言われ…。
Aさん(65歳/男性)の場合
現在は東京を生活拠点とするAさんの家のお墓は、実家のある九州にあり、十数年前に亡くなった父親もそのお墓に眠っています。子どもが小さかった頃はお盆やお正月に帰省してお墓参りをしていましたが、今は年に一度も帰らないこともあり、家のお墓とは疎遠になっていました。
そんなある日、母親から「私はもうお墓参りに行けないから、あとは任せるわ」と言われました。困惑したAさんは、これまで墓掃除などをしていた、実家の近くに住む妹夫婦に今後の管理を頼みたいと考えますが、たとえお金を出したとしても妹夫婦はいい顔をしないでしょう。
Aさんは頭を悩ませましたが、「墓守のために子どもや孫たちが争うところは見たくない。お墓は整理しよう」という母親の一言をきっかけに、墓じまいを決意。結果、東京の家から近く、妻と娘も気に入ってくれた霊園へ遺骨を移しました。
自分たちが積極的に「入りたい」と思えるようなお墓を見つけたら決断する! そんな思い切りも大切です。
CASE2:実家のお墓に入ったあと管理してくれる人がいない
Bさん(58歳/女性)の場合
数年前に熟年離婚をし、現在はひとり暮らしのBさん。終活について考えるようになり、「妹たちは嫁ぎ先のお墓があるけど、私は実家のお墓に入るしかない」と気がつきました。Bさんに子どもはおらず、妹たちは全員他家に嫁いでいる状況です。
もしBさんが、両親の眠る実家のお墓に入ったとしても、その後、そのお墓を守ってくれる人はいません。焦ったBさんですが、「墓守がいらない永代供養付きのお墓に変えたら?」というアドバイスを知人からもらい、墓じまいすることを決意。
そして、遺骨をすべて東京に移動させたあと、永代供養付きの納骨堂を購入し、自分も将来はそのお墓に入ることにしたのです。永代供養付きであれば、寺院や霊園にお墓の管理を委託できるので、継承者は必要ありません。
また、お墓の掃除はもちろん、供養なども代わりに行なってくれます。少子高齢化や核家族化、生涯未婚率の増加傾向にある今の時代のニーズに応えたお墓といえるでしょう。
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