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フジマキ流「一流のモノ・人・情報」の見抜き方―ヒマがあったら書店に行け!



2012年02月23日 公開

藤巻幸大 (カリスマバイヤー・藤巻兄弟社社長)

 《 PHPビジネス新書『目利き力』より》

 書店は発想の宝庫だ!

 インターネットの時代になって活字離れなんて言われているけれど、僕は本や雑誌をよく読む。SF小説や推理小説のようなエンターテイメント系の本から、哲学系の本まで幅広い。とくに東洋思想、儒教関係の本が好きで、『論語』や佐藤一斎の『言志四録』は、寝る前に読むと心が落ち着く。

 昔はそれこそ乱読。年間400冊とか500冊とか読んだ。さすがに仕事で忙しい今、数は減ってしまったが、それでも50冊は読む。

 だから書店にはしょっちゅう足を運ぶ。今はネットで本が買える時代だが、やはり書店で直接見たほうが、そのときにどんな本が流行っているかがわかって参考になる。とくに行きつけの書店は決めていないが、時間があるときには近くの書店にふらりと入る。

 

 大きな書店なら、まず一階の雑誌売り場で雑誌を見る。メンズファッション系、ホビー系、マネー系から女性誌に至るまで、ざっと日を通す。雑誌の特集のタイトルを見るだけで、今何が流行っているか、どんなキーワードが使われているかがよくわかる。

 それから上の階のビジネス書のコーナーへ行く。雑誌と同じく、ビジネスマンなど働いている人たちが今、何に興味を持っているのかが、平積みになっている本を見るだけで自然に頭に入ってくる。そして、さらに別の階の学術書や文芸書、思想・哲学書のコーナーも欠かさず見る。

 

 僕はベストセラーと呼ばれている本はあまり読まない。一応書店でチェックするけれど、買って読むことはほとんどない。ファッションと同じように、大勢と同じというのが基本的に嫌いなんだと思う。だから地味な場所にある、人のあまりいない専門書のコーナーで、売れていなさそうだけど興味のある本、面白そうな本を買う。そういう本の中にこそ、感動したり影響されたりするものが多い。

 雑誌に関しては、本当にちょっと暇さえあればペラペラとめくっている。男性誌も女性誌も今の世の中のトレンドやブームがわかるし、そこからいろんな発想が広がっていく。書店に行くとついつい立ち読みして1時間くらいすぐにたってしまう。

 ちなみに、情報誌を読むときに僕が一番気にすることは、世の中はどんな傾向になびいているのか、ということだ。これが流行っているとか、こんなものが売れているという情報も直近の話題としては重要だが、もっと俯瞰して全体がどこに向かっているのかをつかもうとしていることが多い。

 あるトレンドが一刻の「ブーム」なのか、それが根付いて一つの「スタイル」として定着するのか、それを知ることはバイヤーの立場としては最も大切なことだ。今年はトレンチコートが流行るとかどうとか、そんなことはまるで些末な話題。勝手に流行ればいいし、こっちも興味はない。僕はむしろ、多くの人を動かすだけの何らかの力や勢いとか、それらが好まれる背景とか、そういうところがものすごく気になるのだ。

 雑誌にはそういった情報がまとめて掲載されている。個々の記事はもちろんのことだが、全体を見渡すことによって、世の中の動きが静かに伝わってくるのである。

 

 また、その中で気になる記事やグッズがあったら、その販売店にまで電話して、詳しいことを徹底的に追求する。ネットやメールの口コミ情報もどんどん取り入れるし、疑問に思うことがあれば失礼も顧みず問い返す。大局的なところでどう動いていくかをつかむには、そうしたことも重要なのだ。

 女性誌に関しては、知り合いのモデルさんも何人かいるのだが、僕が興味を持っているのは、彼女らが身に付けている衣服だけではなく、彼女らのファッションに対するこだわりだ。

 たとえば、ある女の子が、バッチリとお嬢さん系ファッションで固めているとする。衣服だけでなく、それに合ったアクセサリーや靴、髪型でキメている。その彼女をずっと雑誌で見続けていると、モデルとしての「着せ替え人形」的な側面ではなく、おそらく彼女本人としての何らかのこだわりがうっすらと見えてくるのである。「こんな色の服にはこんなアクセサリーやジュエリーを合わせるんだな」とか、「この色のマニキュアが好きなのかな」とか、何らかの一貫性があるのだ。

 もちろんそれはスタイリストの方向性なのかもしれないけれど、僕は本人の主張とかライフスタイルの反映だと思っている。

 すると、
 「じゃあ、このアクセサリーって売れているのかな」
 「このジュエリーは今注目されているのかな」
 「こういう化粧が流行っているのかな」
 といった疑問が次々と浮上する。それらを今度は実際に見に行ったり、わかる人に聞いてみたりするわけだ。

 

 このように、モデルさんたちがさり気なくポーズを取っているグラビアには、彼女らなりのスタイルとかちょっとしたこだわりといった主張が写り込んでいる。僕はそれらを読み取って考え、つながりを推測し、たどっていくことが実に楽しい。いろいろなモデルさんを比較すると、ホントに違いがはっきりと浮かび上がってくるから、ぜひ注目してみるといいだろう。

 これは若い人だけの話ではない。年齢によっても性別によっても明らかに違いが出る。

 「オバサンはどうかな」
 「男ってどうなんだろう」
 と、見るものがすべて疑問と推理の対象。こうした大きなくくりでの傾向を見るのも興味深いし、個人を対象にして彼/彼女の主義主張を追求する楽しみもある。

 

 1つの雑誌にこだわってみる、というのもいいだろう。最近、僕は「和」に興味があるから、小学館の『和楽』という雑誌はとくに熱心に読み込んでいる。これは日本伝統の「和」を基調とし、衣食住に渡って注目すべき「和」のテイストをコンパクトにまとめて提示してくれる、実に面白い雑誌だ。読者対象は30~40代ぐらいの女性なのかな。雑誌自体に静かな趣きと品があるので、当分の間、愛読させていただくつもりである。

 ちなみに僕は昔の雑誌も捨てずにとってある。20年以上前の『HotDogPRESS』(講談社)や『POPEYE』(マガジンハウス)を持っていたりして、そういう雑誌をたまに開くと、意外に今のブームとかトレンドに重なるところを発見できたりする。

 本、雑誌といった活字媒体は、まだまだ情報源として価値のあるものだと思う。

 

 ヒマがあったら書店に行け! 雑誌の特集や本のタイトルを見るだけでも、頭脳は活性化される。

 

 藤巻幸大 

(ふじまき・ゆきお)  

株式会社藤巻兄弟社 代表取締役社長

1960年、東京生まれ。上智大学卒業後、伊勢丹に入社。バーニーズジャパンバイヤーを経て、「解放区」、「リ・スタイル」、「BPQC」などを立ち上げ、カリスマバイヤーとして知られる。2003年、福助株式会社代表取締役社長、2005年株式会社セブン&アイ生活デザイン研究所代表取締役社長に就任。現在、株式会社シカタ代表取締役プロデューサー、株式会社テトラスター代表取締役、また株式会社ビーバイイー社外取締役、株式会社アズウェーブ顧問、株式会社トランジットジェネラルオフィス特別顧問など多方面にわたり、新たなライフスタイル創造事業への意欲的な活動を行う一方、テレビ番組のレギュラー出演、講演活動の合間を縫い、「日本」にこだわり全国を精力的に飛び回っている。名前の表記をこれまでの「幸夫」から「幸大」に変えて活動中。
主な著書に『チームリーダーの教科書』『自分ブランドの教科書』(以上、インデックス・コミュニケーションズ)『特別講義コミュニケーション学』(実業之日本社)『できるチームリーダーの仕事術』(PHP研究所)など。


 ◇書籍紹介◇

目利き力

ぶれない判断ができる人の47の習慣 

藤巻幸大 著 
本体価格 800円   
 

「相手の変化に気付く」「自分の軸をはっきりさせる」「時には高いものを買ってみる」など、フジマキ流、ホンモノを見抜く方法を紹介。



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