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生き方

思いやりがある人ほど「いつも誰かに振り回される」納得の理由

石原加受子(心理カウンセラー/心理相談研究所オールイズワン代表)

2021年12月30日 公開 2022年11月14日 更新

 

「尊重される人」になるために大事なこと

・自分の気持ちを最優先にする

相手に対する思いやりや気遣いは大事にしたいものですが、時として、それが自分の気持ちと相反する場合もあります。そんなとき、自分の気持ちを抑えて相手のために動いていれば、不満が募っていずれ爆発してしまうでしょう。相手よりも自分の気持ちや欲求を大事にすることで、心に葛藤を起こさずに、相手と適切な距離をとることができます。

・人からの依頼は、自分にできる範囲で

人に何かを依頼されて、それを負担に感じるときは、無理をしないことです。他人を振り回す人は、一度受け入れてもらったことで、「この人はお願いしてもいい人」と判断し、どんどん無理なお願いをするようになります。「この中で私ができるのは、Aです。それでよかったら」などと、相手にもはっきりと言葉で伝えたいものです。

・言葉のキャッチボールを怠らない

コミュニケーションが苦手で、会話を避けようとする人ほど、人に振り回されやすくなる傾向があります。「そうなんですね」「それはまとめると、こういうことですか」「すみません、もう一度確認させてください」「ありがとうございます」などと、相手の目を見て、どんな人とも対等にやりとりする意識を持つことが大切です。

・積極的に人を頼る

いろんなことを押し付けられる人は、「自分一人の力で解決しなければならない」と思い込みがちです。自分もしんどいのにヘルプを出せないのは、断られて傷つくのが怖いからです。「物事は人と協力し合うもの」と考え、自分自身も積極的に人を頼りましょう。仕事を押し付けられそうなときも、「これはみんなで共有しませんか」などと言い、オープンな状況にすることも大事です。

 

相手の土俵に乗らずに、かわすコツ

相手が何か質問してきたとき、「正直に答えなければならない。嘘をついてはいけない」などと思っていませんか。自分の情報を公開しすぎることで、相手に付け入る隙を与えてしまうこともあります。すべてに正直に答える必要はありませんし、時には軽く受け流してもいいのです。

また、相手が一方的な口調で、すぐに返事を求めてきたとしても、「今すぐには答えられません」「少し時間をください」「お返事は明日でいいですか」などと、「即答しない」という選択肢もあることを覚えておきましょう。

冒頭でも書きましたが、「振り回される人」は、無意識に「振り回す人」を引き寄せます。同様に、「自分を尊重できる人」は、「尊重してくれる人」を引き寄せます。ですから、「振り回される人」というのは、「自分を尊重していない人」と言い換えることができます。自分が自分を尊重していないために、あなたのことを「尊重しない人」が登場するのです。

あなたがもし、自分を尊重し大事にしはじめると、その瞬間から、人との関係性は変わります。「振り回す人」にとっては、あなたがいきなり別人になったかのように映るでしょう。そんなあなたに違和感を覚えて、一方的な言動はトーンダウンし、次第にあなたの元から遠ざかっていくでしょう。

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軽くかわすために使えるセリフ

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