軽くかわすために使えるセリフ
「どんなにおっしゃっても、私の気持ちは変わりません」
物事を判断したり行動したりするのに一番大事なのは、「自分の気持ち」です。それを選択の基準にできれば、人にペースを乱されることがかなり減るでしょう。相手が強気だろうがごり押ししてこようが、相手の望むことよりも、自分の望むことのほうを大事にしていいのです。感情的にならず、きぜんとした態度で言いましょう。
「今は時間がありませんが、〇時だったらかまいませんよ」
一方で、人からの頼みをすべて断るというのは無理があります。協力する余裕があると判断できるときは、都合のいい時間を伝えるといいでしょう。自分が負担に感じないところで折り合いをつけるのです。自分が無理をしなければ、無理強いする人の存在も遠のいていきます。
「ありがとうございます。必要なときには、お願いします」
相手が過度なお節介を焼いてくる場合でも、相手の善意は受け止めたいものです。仮に相手が悪意を持っていたとしても、きっぱりとした態度をとっていれば、相手は口出しができません。常に堂々とした態度を意識することで、人に振り回される確率はぐんと少なくなります。
対等な人間関係を築くために
人と好ましい人間関係を築くために重要なポイントとして、大きくは二つ挙げられます。一つは、共感能力の高い人になることです。
たとえば、相手が「私はこんなふうに思うんだ」と言ったとき、あなたがすぐさま「それは違うよ」と否定したら、相手はどんな気持ちになるでしょうか。仮にその意見や主張が明らかに間違っていたとしても、否定されれば、傷ついて、あなたがどんな適切なアドバイスをしたとしても、素直に聞く気持ちにはなれないでしょう。
一方、あなたが相手の立場になって、相手に「そうなの。あなたはそんなふうに考えているのね」と受け止めたり、「そんな気持ちになるのも無理ないと思うよ」などと同意したりすれば、きっと「この人は自分の気持ちを尊重してくれている」と感じるでしょう。
多くの場合、人は適切な答えよりも「共感」という心の通い合いを求めて相談するもの。他人の気持ちを尊重できる人は、自分も人から尊重されるようになります。
もう一つは、相手の意見や生き方や行動を、心から認められる人になることです。
これは「共感能力」とも関係があります。相手の生き方や捉え方を認められるからこそ、「あなたはそう思うのね、そう感じているのね」と、理解を示すことができるのです。
そうなるためには、まず自分自身に対して「ああ、いまそんな気持ちになっているんだ」という言葉をかけられる人になることです。人に対する共感の気持ちを育てつつ、自分の気持ちもないがしろにしないという視点に立っていると、「振り回す人」と「振り回される人」のようないびつな関係に陥るのを未然に防ぐことができます。