「やりたいことがない人」のための「やりたいことの見つけ方」
2022年04月07日 公開 2022年07月27日 更新
これまで、仕事や家庭のことをがむしゃらに頑張ってきたけど、ふとした瞬間に「これから先、ダラダラと刺激のない日々が続いていく将来が怖い!」と思ったことはありませんか?
かといって、いい年だし、いまさら「やりたいこと」も浮かばないし、「夢」なんていうのは恥ずかしいという方も多いと思います。
アクセサリーブランドスプリングの代表の立花佳代さんは、50代を迎えた今も、インドと日本を往復し、エネルギッシュに事業を広げている経営者。
ツテも何もないところから、インドの小さな村に自社工場を立ち上げ、オリジナルのアクセサリーを制作。何もなかった村に産業と雇用を生み出したことでいま、エシカルなブランドとして注目されています。
本稿では、立花氏の著作『やりたいこと、全部やりたい。』から一部抜粋、再構成。年齢を言い訳にせず、もう一度やりたいことをやる方法をご紹介します。
やりたいことはいますぐ見つからなくていい
いますぐやりたいことがパッと浮かばないという方もいらっしゃると思いますが、最初はそれでいいと思います。わたし自身も、もともと「夢」や「やりたいこと」がありませんでした。目の前のことを一生懸命になっているうちに、これもやりたい、あれもやりたい、というふうになっていきました。
いまでこそ、目立った産業のないインドの小さな村の女性たちが手に職をつけることで、自立の機会を与えているとの評価を多くいただくようなエシカルアクセサリーブランドを運営しているわたしですが、それまでは、両親が営んでいた広さ3坪ほどの店を、なかば半強制的な形で立て直す手伝いをしていました。
そのなかで、わたしは商売の魅力に、強く引き込まれていきました。
自分の思考や直感をフル活用して、山を張った仕入れが見事に当たる。そのなんともいえないドキドキ感がたまらなく、どんどんのめり込んでいったのです。
「自分のやりたいことはやっぱり商売なんだ!」
なにかを目指したわけではなく、ただ体でそう感じていたのだと思います。
自分が本当に「やりたいこと」というのは、頭で考えるよりも、まずいま自分の体で実際に感じる感覚や、実感にこそヒントが示されているものです。
それは探して見つけるというよりも、ただそこにあるものを「感じる」ことです。
「やりたいこと探し」をするのは大いにけっこうですし、若い人に限らず、大人であっても、いまから本当にやりたいことを見つけていくのは、とても素晴らしいことでしょう。
そのとき、子どもの頃の記憶のなかにも、案外、大きな手掛かりが隠されている可能性があるかもしれません。
いずれにせよ、ここで伝えたいのは、それはもう「あなたのなかに準備されている」という事実です。そして、あなたがそれに「気づくだけ」なのを、いまかいまかと待ち構えているかもしれません。
ひとりでは無理でも、誰かがいればできるかもしれない
年齢、まわりからの目。それが気になって、一歩踏み出せない方も多いと思います。
やりたいことをやりたい、でも、できないカッコ悪い自分を認めたくない……。
そんな自分がいませんか?
「まるで自分がとてもできる人であるかのように振る舞いたい。どんなことも、余裕でこなしている自分をアピールしたい。厳しい境遇にも負けない自分。」
わたしはある時期まで、ずっとそんなイメージにとらわれていたのです。
でも、そんな強がりな生き方は、「昭和」から2回も年号が変わったなかで、カッコよくもなければ、逆に損までする時代になったのだと、最近よく思うようになりました。
いまはむしろ、「自分はこう思っている」「いまこんなにピンチなんだ」と本音をさらけ出せば、それに共感してくれる人や助けてくれる人が集まってくれる時代です。
また、パンデミックに象徴されるように、世の中は先がかなり見通しにくくなり、仕事はもちろんのこと、社会や世界にまつわる問題もどんどん複雑化しています。
そんななかでは、ひとりであくせくするのではなく、「これがやりたい」「こんなことに困っている」と、本音をどんどんさらけ出していったほうがいいのではないかなと思うのです。