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生き方

なぜ広報からCEOに?「特徴的な強みがない」からこそ活躍できる理由

流郷綾乃(元ムスカCEO)

2022年04月19日 公開 2022年07月04日 更新

 

自分のために生きるのは、結構たいへん

――さまざまな仕事を経験してみて、自分の強みだと感じられたことは何でしょう?

【流郷】人に求められた役目をまっとうできることが強みなのではないかなと思います。

性格上、特徴的な強みがないことが良いのではないでしょうか。その分、「何かになれ」と言われたらそれをちゃんと演じきれる。ムスカのCEOを引き受けたのも、誰かに求められているものがあるなら、責任を持ってそれを達成したいと考えたからです。

自分のために生きるのは、結構たいへんなことだと思うんです。だからこそ、「人のために何かをする」ことにフォーカスすればいいと思っています。

誰しも自己肯定感の高い人ばかりではありません。自己肯定感の低い人が「自分のために生きろ」と言われても、困ると思うのです。そんな人は、人のためとか次世代の子どものためにがんばると考えた方が良いのではないでしょうか。そうすることによって「自分が生かされている」と感じられると思います。

――次は、どんな仕事をしようと考えていますか?

【流郷】ベンチャー・キャピタリストとしての活動を考えています。

SDGsを意識し、サステイナブルな社会を作っていくための※ベンチャー・キャピタリストとしての活動を考えています。社会に価値のあるビジネスに投資しつつ成長を促していく仕事です。

まだまだベンチャー・キャピタルにも男性が多いように感じたことも、自分が投資家サイドに行きたいと思った理由のひとつです。男女の壁を突破したいし、現在の社会の問題に対して、経験者としての意見も生かせると思っています。

フリーランスになったときシングルマザーとなり、子どもを抱えて生きていて「貧困」を感じたこともあるし、収入により支援が打ちきられたときの苦しさも経験しています。

当事者の視点を生かして、社会課題に対して解決方法を提供している※スタートアップ企業が、本質的なのかどうかという判断はできそうです。

――これからの社会で仕事をしていくうえでの、アドバイスをお願いします。

【流郷】「自分自身が何かをする」ことを目的にせず、本当のゴールに向かって最短距離を進んでいくことをおすすめします。

できないことにぶつかっても、何を達成しなくてはいけないかということを第一に考えるといいと思います。「自分自身が何かをする」ことが目的になってしまっていると、本当のゴールが見えなくなってしまいます。

やってみて得意ではないと気づいたら、その手段は捨ててほかの手段を使ってもいいし、ほかの人を巻きこんで一緒にやってもいいんです。

ゴールを考えて、そこに向かうための最短距離は何かを考えて進んでいくことをおすすめします。

※ベンチャー・キャピタリスト:新技術・新事業を開発し事業として発足させた中小企業が発行する株式への投資を行い、資金を提供すると同時に、経営コンサルティングを行う人。

※スタートアップ企業:まだ世に出ていない、新しいビジネスモデルを開発する企業のこと。

 

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