収入を増やすため、またはスキルアップのために副業を検討する人も増えている。中でも、基本的に在宅作業ができ、比較的少ない資金で始められる"ライティング"が人気だが、ライティングスキルと同じくらい必要になるのが仕事の受注や交渉のスキルだ。
SE・プログラマーとして働く傍ら副業で始めたライティングを現在では本業にしている日比野 新氏に、継続受注やギャラ交渉などにおけるポイントを聞いた。
※本稿は日比野 新著『1文字1円を10円に上げる 書く副業』(かんき出版)より一部抜粋・編集したものです
何度も依頼されるライターの条件とは
継続して何度も依頼をいただけると、今月だけの収入ではなく来月、再来月の収入まで予測できるため、気持ちが豊かになります。
また、ライティング量も把握しやすいので、スケジュールを立てやすくなり、自由な時間を持ちやすくなります。
2 度、3 度と繰り返し依頼いただけることは、副業ライティングで稼ぐ重要なポイントだと私は考えています。
しかし、ライティングの質が高ければ、自然と仕事の継続依頼がくるかといえばそうはいきません。
・内容が間違っていないこと
・文章がわかりやすいこと
という2つのライティングの質と、「納期厳守」は報酬をいただくための最低条件です。
継続して仕事を依頼されるためには、さらに努力と工夫が必要です。
依頼主にとってのメリットを提供する
継続受注できるポイントのひとつめは「役立つ」こと。
自分にとって役立つことを教えてくれる人には好意を抱きます。これは、いつの時代でも変わりません。仕事でもプライベートでも同じです。
ライターが依頼主にとって役立つためには、依頼主が喜ぶ(楽できる)情報を提案することがもっとも始めやすいです。
そこで私は最初の頃、半年先くらいまでの提案をしていました。しかし、残念なことに良い感触はなく、継続されることもありませんでした。
そこで少し作戦を変更。半年ではなく「超近未来」と言えるくらい近い将来について提案するようにしました。まさに、半歩先の提案です。
例えば、今回の依頼について、もう少し手間をかけたほうが良い部分や、他にも対策したほうが良さそうなキーワードなどです。
今の依頼につながってはいるけれど、少しだけ先を見越した提案。
こういう提案だと相手もイメージしやすいのでしょう。そして、すぐにお金になるかどうかを判断しやすいのだと思います。
意外とすんなり提案を聞いてもらえ、提案によって「じゃあ、来月はその流れでお願いします!」と今月分を納品していないのに、先に翌月の継続を打診されることが増えました。
ただ、いくら私たちライターが「これは重要」と考えていても、相手がイメージできていないのなら良い提案にはなりません(役立てていません)。
イメージできる範囲やイメージできることに絞って提案することが重要なのです。
例えば、次のような提案はイメージしやすいので受け入れられやすいです。
・あなたの提案で依頼主が来月は今月より儲かりそう
・あなたの提案で依頼主が来月は今月より楽できそう
・あなたの提案で依頼主に安定した収入の流れが来月から作れそう
・あなたの提案で依頼主がクライアントに得意げに話せそう
提案すると自分のアイデアがパクられる、自分だけ損する、このように感じるのもわかります。私は今でもそんな気持ちになります。
でも、パクられても損してもいいんです。そういう相手だったとわかることが大事なんです。早い段階でわかるほど、被害が少ないまま別の相手を探しに行けるのですから。