DX市場は拡大し続けており、その成長度は年々増加中です。富士キメラ総研の調査では、2019年度に7912億円だった国内市場が、2030年度には3.8倍となる3兆425億円まで拡大すると予測されています。また、世界では2021年で5,215億ドル(65兆1,300億円)、2026年に1兆2,475億ドル(155兆8,483億円)、市場の平均年成長率は19.1%で推移すると、リサーチステーション合同会社が発表しました。
日本だけでも約3.8倍の伸び率が期待されており、それだけ働き手が必要な業種になっていきますし、ビジネスパーソンにとっても大きなチャンスと捉えられています。ではDX関連市場で活躍できるのは、どのようなタイプの人材なのでしょうか。『難しい話はもういいんでDXがうまくいく方法だけ教えてください』の著者、日淺光博氏が解説します。
※本稿は、日淺光博著『難しい話はもういいんでDXがうまくいく方法だけ教えてください』(サンマーク出版)の内容を再構成したものです。
DXを進めるには3つの段階がある
「DX人材」と言われると、どんな人を思い浮かべるでしょうか?
エンジニアやプログラマー、データサイエンティストなどはDXの文脈で最初に語られる職種です。しかし、これだけでは十分とは言えません。
DXに求められる人材は、おもに7つの役割があります。それをご紹介するためにも、DXのおもな工程を見ていきましょう。
まずDXという言葉の定義から始めます。
DXは「会社の業務改善」とも言い換えられるものです。業務における問題点を解消する手段としてデジタル化を進め、社内業務を効率化し、新たな顧客接点を生み出していくことと定義できます。このDXは、大きく分けると3つのフェーズがるものです。
1.立ち上げ期
現状の会社の問題点を洗い出し、どのように会社を変化させていくかを考えるフェーズ。またそのためのチーム組成や最適な業務フローを模索することが求められる
2.計画期
立ち上げ期で考えた内容を具体的な計画に落とし込み、それを実行していくための仕組みを設計するフェーズ
3.導入期
設計、計画された情報を元に実際にシステム導入を進めていくフェーズ。社内の業務改革と新規ビジネスの立ち上げという側面がある
この3つのフェーズにはそれぞれ役割があり、それらを推進していくことが求められます。