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新生活で疲れた人へ...仏教の「日々是好日経」が教えてくれること

2022年05月27日 公開

大愚元勝(住職・株式会社慈光マネジメント代表取締役)

大愚和尚

新しい環境に飛び込むとき、人は期待と不安を抱きます。時には、気持ちをうまく制御できず疲弊してしまうことも。どうしたら心穏やかに日々を過ごすことができるのでしょうか。いま話題の僧侶・大愚元勝さんに感情をコントロールする方法、そして心を落ち着ける「お経」をご紹介いただきました。

 

感情をコントロールするには...

新年度が始まり、1ヶ月が経ちました。新しい環境、新しい仕事、新しい人間関係、新しい生活。ゴールデンウィークも明けて、いよいよ本格的に新たな年度への挑戦が始まります。

一通りの研修が終わり、「がんばるぞ!」という意気込みとは裏腹に、若干の慣れと疲れも出てきている頃かと思われます。すでに気持ちが不安定になったり、後ろ向きになったりしている人もいることでしょう。

LINE株式会社は、新社会人を対象に「新生活に向けて頑張りたいことや準備していること、不安に思うこと」などの調査を行い、その結果を3月22日に発表しました。

その結果によれば、3割以上が「期待でいっぱい」「期待のほうが強い」と答えた一方で、78%が「仕事についていけるのか」、61%が「上司や同僚とうまくやっていけるのか」という不安を抱えているとのことでした。

私の元にも、そうした「不安な感情をどのようにコントロールしたらいいのか」という質問が数多く寄せられます。その答えを知るためには、先ず「期待」と「不安」について、よく知る必要があります。

「期待」と「不安」。これらは裏腹のようであって、実は一体です。期待が高まれば高まるほど、不安も強くなっていく相関関係にあります。それにしても、期待と不安の正体は一体なんでしょうか。

期待と不安の正体は、想像力です。

私たち人類は、脳が発達したことによって、2つの能力を手にしました。記憶力と想像力です。記憶力が発達したことによって、私たちは過去に思いを巡らせることができるようになりました。想像力が発達したことによって、私たちは、未来に思いを馳せることができるようになりました。しかも、そこに圧倒的な臨場感を伴って、過去や未来へ意識を巡らせることができるようになったのです。

しかし仏教から見れば、過去も未来も存在しません。「過去にこういう史実があった」と記憶を辿って、空想することはできます。「未来にはこうなるだろう」と予測を立てて、空想することはできます。

しかし、過去も未来も、「いまここ」に存在しているわけではありません。私たちの頭の中で、「過去や未来がある」と信じている。私たちの頭の中で「過去や未来」について、想像力を働かせて空想しているだけなのです。

ところがこの空想に、感情が入り込むと厄介なことになります。
「○○であって欲しい」「○○であるべきだ」「○○だったらどうしよう」といった期待や不安が強い人ほど、実際には期待通り、予想通りにいかなかったときには、大きく失望することになります。

失望の対象は、給与であったり、勤務時間であったり、休みであったり、人間関係であったり、と一見様々に見えますが、その正体はつまり「自己妄想と現実とのギャップ」です。「期待と不安で入り混じった感情をコントロール」するコツは、未来を考えるときに感情を入れないことです。

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