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「般若心境」は何が説かれているの? 現代人の疲れを癒す写経

2022年06月27日 公開

枡野俊明(建功寺住職、庭園デザイナー)

桝野俊明 般若心経

メールやSNSの普及により、手を動かして「書く」ことが減っている一方で、ただ無心になってお経を書き写す「写経」が見直されつつあります。

「日々ストレスにさらされ、疲れている現代の私たちに、般若心経は大きな気づきと癒やしをもたらします」こう話すのは、曹洞宗徳雄山建功寺住職の枡野俊明さん。

写経の9割を占めるといわれている、般若心経の奥深さやその魅力について聞きました。

※本稿は、枡野俊明監修『おうち写経と仏の言葉なぞり書き』(小学館)から一部抜粋・編集したものです。

 

あらゆるものは縁からできている

般若心経は、正式には「摩訶般若波羅蜜多心経(まかはんにゃはらみったしんぎょう)」と呼ばれます。「大般若経」という600巻にも及ぶ経典の真髄を、わずか276文字にまとめたものです。

インドでお釈迦さまが亡くなったあと数百年ほどのあいだ、その教えは口伝で伝えられていましたが、あるとき500人ほどの弟子が集まり、経典を製作しました。

その際に「大般若経」が編まれ、そこから般若心経が生まれました。

その後、「西遊記」の三蔵法師のモデルになった玄奘三蔵が中国にもち帰り、サンスクリット語の原典を漢字に翻訳。日本には、その翻訳版が伝わりました。

「般若」は、仏の智慧を指します。また、「心経」の「心」は仏の智慧の核を、「経」は糸を意味し、「大切な教えを糸で綴じたもの」を表します。

つまり、般若心経は、仏教の智慧と功徳がバラバラにならないよう、ひとつの教えとして束ねたものなのです。

もともと、般若心経の写経や読経は、僧侶がお釈迦さまの教えを学び、悟りを得るために行われてきましたが、いまは、葬儀や法事、ご祈祷やご供養などで宗派を問わず用いられ、一般でも広く親しまれています。

では、般若心経で何が説かれているのかというと、私たちが苦しみから救われ、心安らかに生きるための「空」の教えと、その教えを実践するための智慧です。

「空」は、すべては移り変わり(無常)、あらゆるものは縁によって成り立ち実体がない(無我)という考え方です。

この教えにふれることで、私たちは、自分たちが生かされているこの世のしくみを知ることができます。そして、日頃の悩みや心のとらわれから自由になり、救われていくのです。

日々ストレスにさらされ、疲れている現代の私たちに、般若心経は大きな気づきと癒やしをもたらします。

まずは無心になって、ボールペンを動かしていってください。それだけで、仏の教えの尊い結晶である般若心経の功徳をいただくことができるでしょう。

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書いて声に出してよむ「般若心経全文」を紹介 >

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