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忙しいのに「本で必死に教養を学ぶ人」が時代遅れなワケ

2022年07月01日 公開

成毛眞(HONZ代表、元マイクロソフト社長)

成毛眞

学生時代はそれなりに本を読んできた人でも、仕事で脂がのってきたり、子育てで忙しくなったりすると、読書の習慣が薄れていく。そのまま「勉強」もしなくなったというミドル世代は多いのではないか。

リモートワークがメインとなり、移動時間で本を読むこともなくなっている。これからの時代、どのように教養を身につければいいのか。本稿では、そんな「教養コンプレックス」を抱える読者に向けて、元マイクロソフト社長の成毛眞氏が"世界一効率的な勉強法"について述べる。

※本稿は『39歳からのシン教養』 (PHP研究所)の内容を編集、加筆したものです。

 

30代後半から真面目に教養を学ぶのは手遅れ

今はググればなんでもわかる時代だ。

昭和の知識詰め込み型教育は鳴りを潜め、大学入試制度も多様化しており、教科書に書いてある知識よりも「知識の関連づけ能力」、つまりを思考力や判断力を問うような問題が増えている。知識の量は必ずしも重要とされてはいない。

しかもこれから社会人になる10代、20代は、デジタルネイティブである。

30代以上のミドル社員は、彼らを部下にしながら、同時に彼らと競い合うことになる。どの職場でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、インターネット環境が整っていさえすれば、どこにいても自由に仕事ができる時代。組織の中でどちらが有用な人材かは火を見るよりも明らかだ。

では、どうすればいいか?
「教養」を身につければいい。歴史や芸術、自然科学など、文化的・学術的な素養があれば、それらの教養をビジネスに結びつけ、新しいアイデアを生み出せる。

「どうして、こんな面白いアイデアを思いつくんですか?」

「『amazon 世界最先端の戦略がわかる』『2040年の未来予測』で書かれたような具体的な未来予測が、どうしてできるのでしょうか?」といつも聞かれるが、答えは簡単だ。

これまでも教養をインプットしまくってきたし、今も学び続けているからだ。人に知られていない情報は、それだけで価値がある。そうした情報からヒットが生まれたり、新しいビジネスの種になったりもする。

 

「本を読む時間がない」子育て世代の編集者が抱える悩み

だから、できるだけたくさん情報をインプットしたほうがいい。興味のあるなしにかかわらず、たくさん本を読むべきだ。それは否定しない。

しかしながら、30代も半ばを迎えてから、ヨイショと重い腰を上げて教養を詰め込んでいるようでは、遅い。遅すぎる。時間は有限なのである。

近年、日本でも晩婚化が進み、2020(令和2)年の平均初婚年齢は、男性が31.1歳、女性が29.4歳。その数年後には、子供を持つ人も多いだろう。

仕事でも重責を担い、さらに忙しくなる年代。子育てもしながら、本を読み、教養を身につける時間を捻出することは、ほぼ不可能。まさに"ムリゲー"という声が聞こえてくるほど、30代、40代は、仕事でも家庭にも大忙しなのだ。

ある編集者も現在38歳。社内では中間管理職として細々とした調整事項に追われ、家庭では主夫としてもフル稼働。休日は家族で過ごす時間に充てているという。それゆえ、編集者なのに、ゆっくり本を読む時間を捻出できないというのである。

50代になったら余裕ができるかといえばとんでもない。立場や年代が上がれば、暇になるどころかさらに忙しくなる。子供が育ち、ひと息ついた頃には、親の介護が待っている。早期退職したり、独立したのならなおのこと稼がなければならず、ノンビリしている暇がないだろう。

とにもかくにも、現役世代はじっくり本を読む時間がない。そんな暇があるなら、会社でも家でも「成果」を出せと言われるのだから、なおさらな酷な話である。

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