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生き方

ドタキャンされても怒らない...「イライラに振り回されない人」の一つの習慣

井上裕之(歯学博士)

2023年12月26日 公開

 

抱きしめるように、相手のすべてを受け入れる

誰かがとんでもないミスを犯した。そんなとき、頭に血がのぼってしまい、「いったい、どう責任をとるつもりなんだ!」「すまないと言ってすむ問題じゃないんだよ」などと相手を追い詰めるようなことを言ってしまった経験はないでしょうか。

こちらも人間です。つい感情が先に立ってしまい、相手を責めてしまうこともあるでしょう。でも、その結果、相手を追い詰めてしまい、人間関係まで壊れてしまったら......。

私は、トラブルが起こってしまった場合には、何よりも人間関係を第一に考えるようにしています。トラブルは解決の途が必ずあるはずです。でも、人間関係は一度、壊れてしまうと、修復はなかなかむずかしいのです。

深刻なトラブルであればあるほど、本人がいちばん、自分を責めているはずです。だったら、周りの者、特に上司の立場にいる人は絶対に責めるようなことは口にしないこと。

自分を責めている人には、どんな言葉も刃となってしまうことがあります。ですから、こういう場合には、何も言わずに、相手をただぎゅっと抱きしめる感覚になる。これがいちばんいい方法だと思います。

人が倒れかかってきたとしたら、知っている人でも知らない人でも、無意識のうちに手を差し伸べ、全身で受け止めるでしょう。血まみれでも泥だらけでも、たとえ犯罪者であっても。

あなたは、倒れてきた人を受け止めなければ、助けなければという思いだけで動いているはずです。人にはそうした崇高な力があるのです。

相手の全存在を抱擁する。この感覚を覚えると、どんな場合も、どんな相手でも、丸ごと、無条件で受け入れることができるようになっていきます。

トラブルは時間がたてばたつほど問題がこじれていき、解決はしだいに困難になっていくことが多いものです。

起きてしまったことは元には戻らない。それならば、「いま、何ができるか。どうすればいいかを最優先で考えてみよう」。そう言って、解決に向けた行動を一緒になって起こす。それができたとき、いちばん救われるのは、ほかならぬあなた自身だと気づくでしょう。

 

著者紹介

井上裕之(いのうえ・ひろゆき)

歯学博士/経営学博士

医療法人社団いのうえ歯科医院理事長。東京歯科大学大学院修了後、ニューヨーク大学に留学。国内外で研鑽を積み、故郷の北海道・帯広で開業。『たった“ひと言”の影響力』(フォレスト出版)、『好かれる人がやっている 人を惹きつける習慣』(すばる舎)など、著書を86冊出版。累計140万部を突破。

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