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市場で魚を買ったら“アワビ”が無料に!?  釜山で驚いた海鮮市場の気前の良さ

矢巻美穂(カメラマン)

2026年09月11日 公開

国内外の旅行の雑誌やWEB媒体を中心に活動するカメラマン・矢巻美穂さん。7月に出版した『はじめて旅する釜山』(辰巳出版)は、韓国第2の都市・釜山の魅力を、現地取材による豊富な写真とともに紹介した一冊です。

今回はグルメにまつわる話を中心にお聞きしました。魚市場でまさかのアワビが無料でついてきたり、屋台がカラフルでとてもかわいかったり…現地でしか味わえないリアルな驚きがつまっています。

 

本場でこそ味わいたい、テジクッパ・ナッコプセ・ミルミョン

――釜山のグルメで、知っておいてほしいことはありますか?

釜山には、釜山で食べるべきものがたくさんあります。名物は多彩な海鮮料理、そしてテジクッパ、ミルミョンなどの釜山発祥の料理があります。これらはソウルでももちろん食べられますが、やはり発祥の地でぜひ食べてほしいです。なんて言うんでしょう、美味しさが全然違うような気がします。特にテジクッパは、ソウルで食べるのとは全然違う気がします。肉がやわらかく、そして豚肉の量がまず違う。やはりソウルフードなので、作る方も食べる方も思い入れがあるというか。


肉厚のテジクッパは必食!(撮影:矢巻美穂)

海鮮料理の中でもナッコプセは本当におすすめ。日本でもちらほらとお目にかかるようになりましたが、これはやっぱり現地で食べないと。ナッコプセは、タコ、ホルモン、エビの甘辛鍋で、具だくさんでしかも安いのでおすすめです。

ミルミョンは一見すると冷麺なのですが、麺が小麦粉なのでどんな人でも食べやすい。スープは薬膳が入ったものも多いので、冷麺とはひと味もふた味も違います。

 

メイン一品で野菜たっぷりのおかずが”全部サービス”

――印象的な韓国の食文化はありますか?


カンジャンケジャン店でのパンチャン(撮影:矢巻美穂)

韓国の食文化で印象的なのは、やっぱり数多くのおかずのパンチャンですね。メイン食材を頼むと、たくさんのおかずが出てきます。美味しくて気に入ればおかわりも自由です。これは本当に楽しいと思います。日本でもこのシステムを取り入れてほしいと思うこともありますが、そういった文化はないので、韓国に行ったらこのありがたい文化を存分に楽しんでいます。


海鮮店でのパンチャン(撮影:矢巻美穂)

海外旅行に行くと野菜不足になることもありますが、韓国ではその心配は全くないんです。パンチャンはいろんなおかずが出てきますが、一番多いのが野菜。サンチュやエゴマの葉、ナムル。キムチも白菜だけじゃなくて白キムチ、コッチョリ、カクテキ、ムジョリム、トンチミなど実に多彩です。これが全部サービスなんて! 本当に素晴らしい文化です。

――本の中で紹介されていたヌタウナギが気になりました。実際に食べてみていかがでしたか?


コリっとした食感が楽しいヌタウナギ(撮影:矢巻美穂)

見た目の怖さからは全く想像できないほど、繊細で美味しい魚です。どこのお店でも味付けは塩味、ヤンニョム味が選べます。ヤンニョムは味が強いので、まずは塩味で素材そのものの味を確認してみてください。

 

魚を買ったらまさかのアワビが無料に

――釜山ならではの海鮮料理のおすすめは?

刺身とナッコプセです。日本人は海外で生の魚を食べるのはちょっと抵抗があると思うんです。衛生的な部分や鮮度など、大丈夫かなって。でも釜山の大きな魚市場は生きたまま水槽からあげてすぐに目の前で調理してくれるので、鮮度は抜群です。たとえば、日本では昆布締めの鯛などを水分を極限まで抜いて熟成させてねっとりとした旨みを味わうような食べ方がある一方で、元気な魚をすぐ食べるものやっぱり美味しいなと。自分の目で見て「これ!」と、魚を決められるのも楽しいので、まずはお刺身を味わってほしいかなと。


予算5000円の海鮮料理(撮影:矢巻美穂)

それからその骨や頭などを使って、ヘムルタンという辛いスープというか鍋を作ってくれます。日本のあら汁みたいなものですね。辛いけど、これも一緒にぜひ食べてほしいです。あとは価格が安いことも魅力の一つです。

また、すごいのはおまけです。魚市場で魚を買うと、おまけでたくさんの魚介類をサービスしてくれます。その筆頭はなんとアワビ! 日本では高級食材ですが、サービスでアワビを一人1個とかつけてくれます。

ナッコプセは、先ほどお話したとおり、タコ、ホルモン、エビの甘辛鍋です。汁気がほとんどないので、鍋の中にはこの具材だけがどーんとあって、迫力満点です。日本でこれだけのタコを入れたら、倍以上の金額はしそうです。だからとってもお得だなと思います。

 

歩いているだけで楽しい、釜山の市場めぐり

――釜山には数多くの市場がありますが、それぞれにどんな個性がありますか?


広大なチャガルチ魚市場(撮影:矢巻美穂)

釜山の三大市場と言われるのは、チャガルチ市場、国際市場、富平カントン市場です。それに加えて、釜田市場がメインの市場だと思います。

チャガルチ市場は韓国最大の魚市場です。店舗数300の巨大な屋内ビルと、屋外の露天エリアに分かれています。ここは歩いているだけでもとっても楽しいです。

国際市場は、衣類、雑貨、お土産、ローカルグルメなど約1200もの店舗がひしめき合う伝統市場です。富平カントン市場は食の市場で、市場めしや屋台、食べ歩きなども楽しめます。この3つは近いので、全て歩いて移動できます。

釜田市場は西面にあり、釜山の最大規模の総合伝統市場です。海鮮、野菜や果物、高麗人参などが安く買える場所で、釜山の台所なんて言われています。釜田市場は戦後のイメージをそのまま感じられる場所もあり、ノスタルジーな雰囲気があります。

 

カラフルな色合いがかわいい釜山の屋台街

――本の中で「屋台に行きたい!」というコーナーがありましたが、釜山の屋台文化はどんな魅力がありますか?


西面ロッテ裏屋台(撮影:矢巻美穂)

とにかく、かわいい! 日本でも博多などには屋台がありますが、それとは全く異なるあの色合い、小さなテントなどはレゴブロックみたいというか、とってもかわいいんです。西面ロッテ裏はブルーに赤のライン、BIFF広場横はオレンジに黒のストライプで統一されています。

ひと目見たら「かわいい!」「寄っていきたい!」と思うはず。

ただ、夜の屋台はそんなに格別に安いということではないです。だいたい、タコの塩茹でや肉料理などのメイン料理は15000〜20000ウォン(1ウォン=約0.1円/2026年8月現在)くらいで、それに酒代がかかる感じ。地元の料理店や居酒屋の方が安かったりするんですけど、やっぱりこの雰囲気は一度味わってみたいですよね。

BIFF広場から国際市場へ続く道にも昼間は白の小さなテントの屋台がたくさんでます。これはビビンタンミョンを売る店で、椅子がとっても小さくて低いんです。これもとっても気になります。

 

コーヒーは麦茶味!?  韓国カフェ文化のリアル

――本の中で「釜山はカフェ天国」と紹介されていましたが、日本ではあまり知られていない魅力ではないでしょうか?


元病院をリノベしたおしゃれなカフェ(撮影:矢巻美穂)

カフェはめちゃくちゃあります。田浦カフェ通りという通りが有名ですが、実はこの通りにはカフェと名がついているから、どこのガイドブックも大きく取り上げられているのですが、どの通りにもカフェがたくさんあります。だから散策でちょっと歩き疲れてもすぐ休憩できます。

特徴は、これは釜山に限らず韓国全体的にそうなのですが、コーヒーがすごく薄いこと。基本はアメリカーノなんです。なので、何杯でも飲めそうな感じ。麦茶っぽいというか、これも慣れてくると美味しくて、これこれ!という感じになります。

――釜山のおすすめのお土産はありますか?

韓国海苔はとっても美味しいと思います。釜山の空港がある金海地区などに加工場があり、なんていうのかな、肉厚で鮮度が良い感じがします。韓国海苔ってごま油がついているでしょう。だから古いものだと酸化しているかなって気になることもあるんですけど、どこで食べても美味しかったし、価格もソウルより安いと思います。

 

釜山旅行の目的は、ズバリ「食」

――最後に、釜山に行ったら必食のグルメは?

釜山を訪れる最大の目的は、ズバリ「食」です。これは釜山在住のガイドさんが言っていたので間違いないかと(笑)。お客さんの約9割が美味しいグルメを求めてくるんですって。まず、到着したらすぐにテジクッパを食べてください。そしてその肉のやわらかさとボリュームに驚いてください。そして名物のナッコプセ、ミルミョンのふたつは必食です。まずこの3つを食べたら、ゆっくりとお刺身などの海鮮料理を味わってください。これを食べたら、きっとまたすぐに釜山に戻ってきたくなるはず。多彩な釜山のグルメ旅を思う存分楽しんでください!

著者紹介

矢巻美穂(やまき・みほ)

カメラマン

国内外の旅行の雑誌やWEB媒体を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著の『はじめて旅するウズベキスタン 最新版』(辰巳出版)は好評につき2026年現在重版3刷に。YouTubeでは「旅ちゃんねるMinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。またメディアプラットフォームnoteでは、本では書けない取材の裏側を書いたコラムを投稿中。

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