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すぐに"他人のせいにする人"が、「PDCAは役に立たない」と決めつける理由

清水久三子(アンド・クリエイト代表)

2019年02月25日 公開 2019年02月25日 更新

正しくPDCAが回れば、性格のせいや他人のせいにしなくなる

続いては、PDCAの「C(Check)」と「A(Action)」の際に陥りやすい失敗を見てみましょう。

PDCA提唱者のデミング博士は、後年PDCAの「C」を“Study=学び”に置き換えてPDSAサイクルと称しました。PDCAは、失敗を恐れずに早く多く行動して成功に近づくためのフレームワークです。良い悪いの確認程度ではなく、振り返って成功や失敗から学び、Actionに落とし込んでいくという点を再認識してください。

<振り返り初心者がつまずきがちなことと対処法>

【個人の場合(1)上手くいかない要因を自分の性格に探してしまう】
振り返りをする際に慣れていないと、ついやってしまうのが自分の内面や性格のことを問題にしてしまうことです。たとえば、

「思っているよりも成果を出せていない」
→「それは困った時に上司や先輩にきちんと相談できていないからだ」
→「それは『相談するのは恥ずかしい』と自分のプライドが邪魔している(もしくは遠慮がちな性格が邪魔している)」

というふうに上手くいかない要因を自分の内面や性格に結びつけてしまう例です。こうなると、性格改善に着手しなければなりません。

そうではなく、振り返りで変えるべきことは、目に見えて実行できる行動です。振り返りは、改善のアイデアを出して実行に移すための取り組みです。

「相談できない性格」ではなく「相談していない」という行動を変えるために「1時間、提案内容を考えてみてアイデアが出なかったら上司に声をかける。上司にあらかじめ提案内容について相談したいと伝えておく」などアイデアを出します。

【個人の場合(2)自分の今の実力を超えたActionを考えてしまう】
Actionとして、今の実力では到底できないようなことを挙げても現実的ではありません。

たとえば「思っているよりも成果を出せていない、それは仕事の処理スピードが遅いから。では次は倍の処理を何が何でも目指そう」というActionは、次の行動につながりません。

何をしたせいで処理が遅くなっているのかという行動や要因を特定しなければ解決できないのです。

この例では「優先順位を確認していなかったこと」や「作業中に再確認することが何度も発生し、中断が頻繁に起きていたこと」など、問題となる行動を分解して特定していきます。すると「優先順位チェックリストをつくり、作業前に確認してもらったうえで取り掛かり、作業中の手戻りを防ぐ」というActionが出てきます。

【個人の場合(3)自分の今の実力を超えたActionを考えてしまう】
「仕事の見積もりが甘かったのでダメだった」というのもありがちですが、これもNGです。見積もり自体が仮説であり、外れることは珍しくありません。

「見積もりの精度を上げる」というActionはPlanを精緻化したり、バッファ(予備や余裕)を積むしかなくなってしまい、スピードを落とすことにつながります。

見積もりはPDCAを回し続けることでしか精度が上がりません。見積もりは外れることを前提として、行動を細分化して特定しましょう。

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責任追及の場になってしまっては、何の意味もない

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