アフリカに留まりつづけた我々の子孫
私たち人間は、生物学上の名前は、ホモ・サピエンスである。
ホモ属の生物が地球に出現したのは、400万年前のことと考えられている。それ以来、さまざまなホモ属の人種が生まれては滅んでいったと考えられている。
私たちホモ・サピエンスが登場するのは、ホモ属が登場してから、ずっと後の20万年前のことである。
同じ時代には、ホモ・サピエンスのライバルとなるホモ・ネアンデルターレンシスがいた。いわゆるネアンデルタール人である。
人類の祖先はアフリカで生まれたとされている。ネアンデルタール人は、およそ35万年前にアフリカ大陸を出た人類の子孫である。それに対して、およそアフリカに留まった人類が、やがてホモ・サピエンスとして進化をしていく。
寒い場所の生物ほど巨大になる
早い時期に寒冷な地方に進出していたネアンデルタール人は、大きくてがっしりとした体を進化の中で獲得していた。
熱帯に棲むマレーグマに比べて、寒冷地にいるヒグマは巨大で、北極に棲むホッキョクグマはもっと巨大になる。寒い地域では大きい体の方が体温を保つために有利なのである。
このように寒冷な地域で生物が大型化する現象はベルグマンの法則と呼ばれている。
寒い地域に発達を遂げたネアンデルタール人も、強靭な力を持つ大型の人類であった。
これに対して、アフリカで生まれたホモ・サピエンスは体も小さく力も弱かった。
このホモ・サピエンスがやがて、アフリカの外へと進出していく。そして、ネアンデルタール人と出会うのである。