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生き方

「一見いい人なのに」秘密を吹聴して仕事を奪う“スパイ系女子”

下園壮太(メンタルレスキューシニアトレーナー)

2019年06月24日 公開 2019年06月24日 更新

<<下園壮太氏は元・陸上自衛隊衛生学校心理教官にとして、多くの隊員にメンタルヘルスの指導をし、現在はメンタルレスキューシニアトレーナーとして、カウンセリング技術の普及に努めている。

その下園氏が、対人関係で最も厄介だと指摘するのが「一見、いい人」。あんなに優しそうなのに。あんなに元気でいい子なのに。と言われる人ほど、巧妙な手で他人をじわじわ蝕むと言う。

そんな「一見、いい人」への対処法を示した同氏の近著『「一見、いい人」が一番ヤバイ』 にて、他人の心を蝕む12のパターンを紹介し、その対処法を示してる。本稿ではそのひとつを紹介する。>>

※本稿は下園壮太著『「一見、いい人」が一番ヤバイ』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです
 

「一見、いい人」へ勇気を出して「殺し文句」を

あなたは「一見、いい人」に消耗苦・警戒苦・自己嫌悪苦のどのスイッチを押されてきたのでしょう。その仕組みがわかれば、相手からうまく距離をとったり、危ない、と思ったときに素早く逃げたりすることができるようになります。

本稿では、『「一見、いい人」が一番ヤバイ』で紹介した「一見、いい人」の12パターンのうちの1つを紹介します。これまで、「変わらない相手」に自分を無理に合わせようとしたり、相手の態度に疑問を抱いても我慢したりしていたあなたは、勇気を出してここで紹介する「殺し文句」を発してみましょう。

気持ちが軽くなるかもしれません。相手のことが気にならなくなってくるかもしれません。それが、この処方箋の目的とするところです。

もちろん、1回だけ、なんらかの対策をとってみたり殺し文句を言ったところで、相手との関係が100%解決するものではありません。これまで長く我慢してきた人ほど、「早く結果を出したい」と焦りが生じるかもしれませんが、そういう方には私は「40回、400回の原則」というものをお伝えしています。

心の習慣を変えるためのワークは、40回続ければ、必ずなんらかの効果を得ることができます。さらに、400回続ければ、「体が覚えていて自動的にできる」

レベルまで達することができる。これは私がクライアントと接した経験則から導いた数字です。ただ、こうしたいと願うだけでは変わりません。試行錯誤しながら何度も実践練習を重ねることで、少しずつ、でも確実に相手との関係を変えていくことができます。

 

信頼して話した秘密の話が知れ渡って…

【相談】転職したてで心細かったとき、しきりと話を聞いてくれた先輩。飲みに誘ってもらったとき、つい心を許して、「前の職場ではこういう辛いことがあって心が折れてしまった」とか「失恋したばかり」とか、「同じ部署のあの人はちょっと前の彼に似ていてあまり好きになれない」などと、あれこれぶっちゃけて話してしまったのです。

でも、あるとき、別の同僚から「前の職場で、つらかったんだって?」「疲れているようだから仕事を回さないであげてって彼女に言われたんだけど、体調、大丈夫なの?」と言われたのです。

そして、先輩は私が担当する予定だった仕事をちゃっかり横取りしていたことも判明。

うまく情報を引き出して利用された、という思いと、あれこれ言ってしまった秘密の話を誰かに言いふらされはしないか、という不安で、ビクビクしています。

職場では人望が厚く、先輩のことを悪くは言えない状況。先輩が言って
いた内容も私のことを気遣ってのことになっていますし、モヤモヤして、ストレスは強くなるばかりです。

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内面情報という「エサ」を与えない

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