新型コロナで急増した「他人の批判ばかりしている人」に忍び寄る“別の病気”
2020年04月24日 公開 2022年07月04日 更新
自分の悪いところではなく、良いところに目を向けるべき「自分否定タイプ」
(鬼塚)ということは、自らの考えにストレスを感じないためには、この三つの思考タイプのバランスをうまく保つということですね。
(石川)そうです。一つの思考タイプが突出するのを抑え、別の二つの思考タイプを呼び起こし、3つの思考バランスをうまくバランスをとって保つことです。一つずつ説明します。
トラブルに直面したとき、原因が自分にあると考える「自分否定」タイプですが、「私のせいでこうなってしまった」「私がもう少し上手くやっていたら」「私の力が至らなかったから」と考えがちです。
基本的に自分を過小評価、もしくは否定的に思っています。どちらかというとネガティブな感情に陥りがちです。他人に頼らず、自分で抱え込む傾向にあります。その結果、失敗し、「やっぱりできない」と落ち込んでしまいます。
なので、うつ病にかかるのもこのタイプです。よく口にする言葉は「すみません」「申し訳ありません」など謝罪の言葉と、「でも」「どうせ」など自分を卑下する言葉です。メールなどで文章の最後に謝っている絵文字を入れるのもこのタイプです。
この自分否定タイプの人間はどうすればいいかというと、まず自分を認めることです。
自分の悪いところばかりに目を向けず、いいところを積極的に探してはいかがでしょう。自分にはダメなところもあるけどいいところもあるのだ」と自己肯定感を高めることが大切です。
攻撃的で批判に終始する人に多い「新型うつ病」
(鬼塚)では、「他人否定タイプ」はどうでしょう。
(石川)はい、他人否定タイプですが、このタイプの人は、想定外のことが起きた時に自分以外の他人に原因があると考えます。心の底では自分以外の他人を信用してはおらず、自分以外はみな敵とみなす傾向があります。
「人は自分のことしか考えていない」「人は信用できない」「人には裏がある」と思い、ひいては「自分のことを利用しようとしている」「人に弱みを見せてはいけない」と心に鎧をまとうようになります。
何があっても自分の非を顧みず、他人を批判することに終始しがちです。攻撃な人が多いのも特徴です。
ただ、他人を信用していない分だけ「自分でやるしかない」と頑張るのでバイタリティはあります。その力を適切な方向へ向ければ素晴らしい成果をあげます。
うつ病を発症するのは先の自分否定タイプが多いですが、新型うつ病はこの他人否定タイプに多いです。新型うつ病というのは20代から30代に差しかかる、いわゆるゆとり世代に多く発症します。
自分のために世界は回っている、自分の居場所は人が作ってくれると考えがちで、カウンセリングに訪れるこのタイプの人は「あの人のせいで…」と理由をつけることが多いです。
よく口にする言葉は「邪魔だな」「あなたのせいで」など怒りや、相手を責める言葉です。メールの文末に「!」が入っている人が多いです。SNSで炎上しやすいのもこのタイプです。
この「他人否定タイプ」の人はどうすればいいかというと、他人を受け入れることが大切です。まずはひとの話を聞くときは相槌を打って、話に耳を傾けましょう。
また他人の悪いところばかりを見るのではなく、いいところにも目を向けたり、悪いと感じたたりするところは自分と違うだけであってその人の個性であると、他人を意識して褒める癖をつけましょう。
(鬼塚)会社経営には向いていないようですが、職人には向いていると思いますね。